誰かの舞台を自分の楽屋にしてはいけない(「人事の目」827号)

「家」を楽屋にしていないか

自分にとっての“楽屋”のお話しです。楽屋とは舞台の出番を待つ控室のこと。そこで化粧をしたり、身なりを整えたりします。誰も見ていない場所です。本番前後でリラックスする場所でもあります。

さて、ビジネスパーソンにとっての“楽屋”はどこになりますでしょうか。

多くの人が「家」と言うでしょう。私は(この気づきは最近ですが)家を“楽屋”にしてはいけないと思っています。外で働いていない家族にしてみると、そこが本番の舞台です。本番の舞台を楽屋扱いする人がいると困るのは当然です。昔から世の“お父さん”が家で邪魔者扱いされるのは、本番の舞台で“寝転んでいる”せいではないでしょうか。

“リラックスできないんだったら、家じゃない!”という意見が聞こえてきます。リラックス、つまり不必要な緊張は解いていいのです。もちろんです。ただし、弛んではいけないと思うのです。リラックスと弛みは違うと思います。

リーダーは素でやるものではない。その場で求められている姿をイメージし、それに近づくべく努力する。私のリーダー論です。家においても同じだと思います。家の中で期待される姿があるはずなので、それをイメージして近づくべく頑張るのです。家だって本番の舞台です。外で働いているんだから、家では好き放題にしていい。これこそ、昭和の化石の発想です。そうではないと思います。

職場でもそうです。職場の外で頑張って働いているのだから、せめて職場に帰ってきたらリラックスさせてよ、という発想も昭和の化石だと思います。間接部門の人、秘書やサポート部門の人だって、社内で必死に仕事をしているわけです。外にでているから、直接部門だから、と職場で弛んでいいことにはなりません。

組織の中で上の立場になると、もう気を遣う相手がいないからいいや、と横暴な人がいます。弛んでいます。組織のメンバーから、あの人と一緒に働きたいと思われるリーダーに近づくべく努力しましょう。

一人の時間に弛む

私は「弛み」を否定しているのではありません。「弛む」場所を間違えてはいけない、ということです。表舞台で「張る」ためには「弛む」ときも必要です。私は“一人の時間”が”弛む“ときだと思います。誰にも迷惑をかけずに「弛む」。そういう時間を創りましょう。

「弛む」というと寝転がってポテトチップスを食べながらYouTubeを見る、というイメージがありますが、それだけではありません。瞑想、ジョギング、朝日を浴びながらの深呼吸・・・、こうした瞬間でも自分自身が「弛む」はずです。

今日のテーマは私にとっても反省すべきことが大です。3月に59歳になりますが、最近やっと気づきました。

最近のルーティンは4時半に起床して、家事、仕事をしてから夜明けを迎えます。6時ころの朝焼けのきれいなこと。肌寒い空気に触れながら、朝焼けを眺める瞬間、「弛んで」います。

おまけ

おまけー1:CCC時代に一緒に仕事をした浅野由香さんがプロデュースした「哀愁シンデレラ」が2月5日に公開されました。なかなか見応えがありそうな作品です。

https://aishu-cinderella.com/

おまけー2:大河ドラマ「麒麟が来る!」いよいよ本能寺の変ですね。信長と光秀の関係変化はオーナー企業でよくあることで、いろいろなケースを思い出されます。(胸が痛い)

おまけー3:節分明けに「寒川神社」に出かけてきました。なんと前厄であることに気づきました・・・

 

執筆

Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。

 

 

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