Vol.773「仕事観(前編)」(メールマガジン「人事の目」より)

”なんのために、この仕事をしているのか? 先日、某企業の社長とこのテーマ
で議論を交わしました。深い問いです。 あなたなら、どう答えますか。

経営幹部がどのような「仕事観」をもっているか。もっと言えば、経営幹部になる人は
どのような「仕事観」を持っていた方がいいのか。ここを考えておきたいですね。

今後、マネジメントのあり方として、間違いなく“遠心力型マネジメント”が主流になります。
不確実な環境下でスピード感もってパフォーマンスを上げるにはその方が良いからです。
また当事者意識を強く持つ社員を動機づけする上でも、このやり方の方が良いからです
。遠心力型マネジメントとは、現場に近いところで考え、そこで実行し、自ら補正して
いくやり方のこと。上からすると“原理原則は共有するがやり方は任す”です。となると、
この原理原則がマネジメント上の「肝」になります。

では何がこの原理原則か。企業のShared value(価値規準)。これを以て原理原則と
することが多いように思います。その通りだと思います。ただし、その価値規準を
どう解釈するか。これは個人の「仕事観」の影響を受けます。ということは、
原理原則の根本は影響力のある人たちの「仕事観」ということになります。
これを深いところで共有していないから、“思いがけない”事態が発生するのだと思います。

経営目標が立てられるとそれを部門別にブレイクダウンし、さらに個人に紐づけしていく。
よくあるKPIに基づくマネジメント手法です。全員の行動を経営目標達成に向けて一致させる。
論理的には素晴らしいやり方です。これに則ると“この仕事はなんのため?”は部門の
目標のため、または会社の経営目標達成のため・・という答えになるでしょう。

では、会社が経営目標を達成しようとするのは何のためでしょうか? 上場企業であれば
株主との約束を達成するため、という答えになりがちです。これもその通りだと思います。
では、株主との約束を達成しようとするのは何のためでしょうか?

株主との約束・・・、では株主への配当や株主価値の維持向上が、この仕事の最終的な
目的なのでしょうか? その昔あった“会社は誰のもの議論”からすると、”その通り!“
という回答かもしれませんが、私には違和感があります。自分がこの仕事を一生懸命やるのが
株主のため・・・? は?”という感覚です。現場でそこまで株主を意識して
仕事しているのはIR担当くらいではないでしょうか。

そもそも、KPIマネジメントと言われても、それに紐づけされていない仕事を一切しない
というのは現実的にはあり得ないと思います。必要だと思うことはなんであれやりますよね
。その行為に価値がないと言われた日には“じゃー、言われたことだけやればいいのか”
という想いになります。遠心力がゼロになります。

では、この仕事はなんのためにやるのでしょう? 自分の成長のため? では、自分を
成長させるのは何のためでしょうか? 認められて高い役位につくため? 高い役位に
ついて高い報酬をもらって・・・。(なんだ自分の利のためか。)いやいや、高い役位に
つけば多くの人に影響力を行使できるから・・・、ではその影響力はなんのために
必要なのでしょうか? 自分が思う正しい方向にみなを導けるから・・・、
(やっぱり、自分のやりたいようにやるため、つまり自分のため?) ・・・
なんだかノックダウンですね。

“仕事を何のためにするのか”。私はこう考えています。
“毎日が楽しい”という人を増やすため。  (以下、次号に続く)


おまけー1:大阪でびっくりシリーズ、その1.

USJ近くの某有名ホテルのブッフェでのこと。ローストビーフが売りとのことだったので、
さっそくそのカウンターへ。

「ローストビーフ、お願いします。」
「はい、和風ソースと洋風ソース、どちらがいいですか?」
「じゃ、洋風ソースで。あ、ホースラディッシュ添えてください。」
「え、ホース・・? これビーフですが」とシェフ?らしき人。(大丈夫か。このホテル。)

おまけー2:大阪でびっくりシリーズ、その2.

タクシーで新大阪着。メーターを見ると3,840円。
「すみません、1万円からお願いします。」
「はい、じゃあ、まず、160円と・・、で、お客さん、聞いてください。
この前、沢尻エ〇カを乗せたんですよ。話題の沢尻。いやー、おきれいでした。
あんなことになってねー、私はなんか応援したいと思ってるんですよ。」
「はー、そうですね。」
「はい、じゃあ、領収証。」
「あれ、6,000円は?」
「気づきました?」(時そばか。)



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