Vol.803「Fly to quality」(メールマガジン「人事の目」より)

個人タクシーを避けています。先日もそうしました。某所からの帰り、タクシー乗り場は
「個人」「個人」「個人」・・・。その日はUberを利用しました。日本のUberもかなり
良くなってきました。アメリカと違って、ほとんどがハイヤー系のプロなので料金が高い
というイメージがあるのですが、場所によってはそうでもありません。例えば羽田空港
から立ち寄りなしに目的地までいくと定額料金なので、時間帯によってはタクシーより
1,500円ほど安かったりします。

個人タクシーさんにも素晴らしい運転手さんはいます。選択の余地がなく個人タクシーで
素敵な運転手さんに遭遇したときには心の中で「ごめんなさい。偏見でした。」とお詫びしています。

個人タクシーを避けているのには理由があります。これまでの経験から個人タクシーは
「運転が雑」「愛想がない」「車内が臭い」「コロナ感染症対対策がない」等、
選びたくない理由が満載です。多少料金が高くても、安心して乗車できる方を選びます。
Fly to qualityです。

働き方についてもそうです。在宅でも十分仕事ができる上に仕事と私生活の融合
(Work life integration)が可能だと気づいた人たちに、これまで通りに出勤せよ、
と命ずるといずれいなくなります。ひとたび、その価値を知った人たちからすると
Fly to qualityでしょう。

マスメディアの報道。gotoキャンペーンの是非が問われていたときには「東京でこんなに
感染者が出ているのにやるのか」といったトーンで報道し、ひとたび東京外しが決定すると
「東京外しによるキャンセルをどうしてくれる」といったトーンに。報道のセンスを疑います。
ますます人々はネットの速報に流れるでしょう。Fly to qualityです。

Fly to qualityは避けられません。水が高いところから低いところへ流れるようなものです。
コロナ禍で多くの事業者において提供サービスに制限が生まれていると思います。
今は”コロナで・・・“と説明すれば、すべての顧客が”仕方ないですよ“という反応を
してくれると思います。ただし、そこにQualityの高いサービスが現れると水が流れる
ごとくいなくなります。Fly to qualityです。

人が集まることを前提にしているビジネスで様々な感染症対策がとられています。
その多くが“がまん系”です。顧客に“がまん”を強いています。“がまん”を強いている
ということは新しい価値に多感な状態です。これは機動的に動ける企業にとってはチャンスです。

逆に動きが多い大企業にとってはピンチです。長らく、Sustainable growth(持続的成長)を意
図して経営してきたわけですが、今やモードは違います。いわば、Adaptability
and evolution(適応進化)が必要です。現職の経営陣はこれをドライブしないといけません。
しかも短期的に。

これまで次世代経営者候補者を鍛えることを中心にプログラムを提供してきましたが、
昨今の状況から現職の経営陣(本部長、執行役員以上)の方を対象とした「適応進化を
ドライブするためのリーダーシップ・プログラム」を開講することにしました。現職者たちは
未来に対する責任があります。そのための「学び直し」の場にしたいと思っています。

基本的に全日程オンラインです。夕方90分のオンラインによる議論を5回(18時から19時半)。

(予定しているテーマ)
‐ウィズ/アフターコロナの世界
‐プラットフォームビジネスのこれから
‐イノベーションの最新トレンドと日本の対応
‐新しい組織人事マネジメント(2回)

その後、ROT(オンラインによる1日OT)を受検いただき、リモア下での意思決定、問題解決の
鍛錬をしていただきます。一般案内内に先駆けて、人事の目をお読みいただいている方に
優先的にお知らせします。

ご興味あります方はこのメルマガの返信でお知らせください。詳細をお知らせします。
(対象は現職の本部長、役員の方です。)

現職の経営陣が「今日の維持」のための耐える戦略ばかりだと、未来を案ずる若者が離れます。
Fly to qualityです。


おまけ:7月10日の日経産業新聞のコラムです。



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