木曜日から「柴田塾」の第16期@東京でした。
「柴田塾」は3日間の短期集中の次世代リーダー育成プログラム。
今回も様々な業種業界から16名のチャレンジャーたちが参加してくれました。
2日目はおなじみの「体験型ケーススタディ」。今回は新作です。
郊外型スーパーマーケットチェーンとそのスーパーが立地している
基礎的自治体を題材にケースを創ってみました。
ケースの中では、過剰投資、オーナー企業の事業承継、買い物難民、
郊外特有の問題等を巡り、想定外のことが次々に起こります。
受講生たちは限られた時間の中で課題に向き合い、
アウトプットを出していくことが求められる・・・、いつもながらの展開です。
今回、一つのチームが非常に良い動きをみせてくれました。
メンバー全員の役割分担がきちっとできており、それぞれが自分の仕事を
十分にこなしていました。
また、「柴田塾」の初日に学んだ「情報の一元管理」「ディベート的整理手法」
についても早速活用。学んだスキルはすぐに使ってみるのが一番です。
この実践力も見事でした。
さらに良かったのが役割分担のコントロールです。
ケースの途中、財務諸表を読み解くという課題が発生するのですが、
このチームでは、まずはメンバーをそれが得意な人、そうでない人と
メンバーを二分。次から次へと起こる事象への対処については
「分析を担当していない人たち」に専念させました。
この采配により、数字に取り組んでいる人達は集中して分析作業に取り組む
ことができたわけです。
仕事にはフローの仕事とストックの仕事があります。
ストック型の仕事には集中して取り組まないと明らかに生産性が落ちます。
典型的なストック業務が分析作業などの”考える”仕事です。
一方で、電話対応、顧客対応、アシスタント業務等はフローの仕事の典型。
その場その場で相手のためにベストサービスを提供するのが使命です。
こちらは自分のペースとは関係なく、飛んできた仕事に対応するものです。
同じ人にストック業務とフロー業務を同時にやらせると、
確実にストック業務の質が落ちます。また、納期が遅れます。
さもなければフロー業務で関係者を不愉快にさせるか(笑)、このどちからです。
「体験型ケーススタディ」は次々に課題が降ってくるので、
ややもすると”子供のサッカー状態”に陥りがちです。
“子供のサッカー”とはポジション関係なく全員でボールを追ってしまう
動き方のこと。守りも攻めもなく、その場だけの動きになります。
今回のチームはこのことをよく理解していました。
ストック作業を担当する人達、フロー作業を担当する人達、共に高いレベルで
対応できました。
ケース終了後、リーダー役の方が「このメンバーで仕事をしたい」
と述べていましたが、その通りだと思います。
実に頼もしく、かつ気持ちのいいチームでした。
さて、このチームが優れていた理由は、リーダー役の方のリーダーシップが
優れていたことももちろんですが、それ以上にメンバーのフォロワーシップが
光っていました。
フォローシップとはリーダーが明示的・暗示的に「こうしてほしい」
と期待する姿をイメージして自ら動くことです。
それを実現する「実力」を備えているから優れたフォロワーシップを
発揮できるわけです。
但し「実力」が伴っていなくてもフォロワーシップを発揮することはできます。
実力不足を補うだけの「意欲」があればいいのです。
今の自分の実力で貢献できることは何かを考え、指示を待たずにできることを
どんどんやる。この姿勢があればいいのです。
ちなみに、「実力が伴っていない人」が9時からの仕事で9時に来ているのでは、
9時からフルスピードで仕事ができるわけがありません。
少し早く来てその日の仕事の予習をした方がいいに決まっています。
9時に出社して「教えてください」では話になりません。
私が若い頃にホテルの宴会サービスの仕事に就いていたときのことです。
出勤時間の1時間前には出社して、その日担当する宴席の情報が書かれている
シートを読み込むようにしていました。経験がないので、
現場でいきなり言われても対応できないことが明らかだったからです。
上から言われてそうしていたのではありません。
予習していないと自分が困るからです。
これは”若い”から、そうしていたわけではありません。
その後も新しい仕事に就くときにはいつもそうしていました。
そうでないと期待に応えられないからです。
もっとも立場が上になってからは、早朝出勤ではなく、みなが見ていない
時間帯を使って予習するようになりましたが。
給料が上がれば上がるほど、”予習”の時間が増えてしまうので
単位時間あたりの報酬額は変わらない、もしくは下がってもおかしくない。
給料が上がるということはそういうことです。
リーダーを経験したヒトはリーダーの立場がわかるので実に優れた
フォロワーシップを発揮することができます。
先のチームがいい動きをすることができたのも、フォロワーの中に
現職のリーダーが含まれていたからでしょう。
ここにもチーム構成のヒントがあります。
優れたリーダーの陰には優れたフォロワーたちあり。
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おまけ-1:スーパーでピープルウオッチングをすると、不思議な人たちの
存在に気づきます。お惣菜売り場を何度も行き来しているヒト(試食か?)、
鮮魚売り場コーナーでずっと佇むヒト(タイムセール狙いか?)
肩から斜めにカバンをかけ、何を買うのでもなくグルグル歩きまわっているヒト。
しかも、にやにや。(これは不明・・・)
おまけ-2:先週書いた「じぶん計画」の中の一項目。映画「プロメテウス」
早速見たのですが、CMから想像していた内容とは全然違いました・・・。
これは「エ○リ○ン」シリーズのビギンズ。
行かれる方はそう心して。
おまけ-3:この日曜日から火曜日まで「夏休み」を取ることにしました。
行先は埼玉県の某所です。