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書く力の重要性とポイント
困ったことです。“文章を書けない”人が増えています。
日本を代表する企業で、次世代を担うと期待されている人たちでもそうです。A4一枚に
提言をまとめよ、という課題を出しますと、“合格”レベルの内容、体裁のものを書ける
人が極めて少ない。
まず何と言っても「読み手」を意識していない。自分の考えを書き連ねただけ。
独りよがりです。だから極めて読みにくい。パワポの弊害でしょうか。短くまとめよ、
というと箇条書きにしてくる。そうではないのです。“読む”内容にしてほしいのです。
“読む”とは文字を目で追いながら、書き手の言いたいことを読み手がイメージする行為。
しかし、下手な文章だと文字を追うことすら辛くなります。
「読み手」のことを意識して、少なくとも次のことは気をつけてもらいたいものです。
- 一文一文を短文にする
- 段落に分ける
- 行の最後で単語が割れないように改行する
- 小見出しをつける
- 小見出しと本文のフォントの大きさを変える
- 適度にスペースを空ける (パッと見て文字が埋め尽くされている文章は読む気を減退させます)
これらは体裁です。たかが体裁、されど体裁。見た目が悪いと読んでもらえません。
体裁を押さえるのは基本。その上で「内容」が問われます。
提言の場合、第三者的な批評はいりません。“だからどうする?”を具体的に書いて欲しいのです。
自分はこんなに調べた(ので認めて欲しい)とか、誰々がこう言ってる(ので権威がある)とかは
最少でいいのです。無くてもいいです。具体的に“何をどうする?”。これをわかりやすく
書いて欲しいのです。
ヤバいと思った方へ。バイブルは「日本語の作文技術」(本田勝一著)です。
30年以上前の本ですが、基本を知るには最適だと思います。
本田先生の本で基本を知った後におススメなのが、「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」(バーバラミント著)です。
アウトプットで書く力の訓練を
最後は訓練。これをやって初めて力がつきます。
おススメは施策を200字/800字でまとめること。社内でやろうしている施策があればそれを。
それがなければ政府がやろうとしている施策を新聞やインターネットで探して、それを200字/800字で
まとめる。しかも、時間を決めてその中で仕上げる。これを短期的に集中してやる。
これらのことで飛躍的に文章力は向上します。
但し、これだけだと習得できないものがあります。それは「リズム感」です。
- 声に出して読んだときにリズム感を感じるように文章を並べる
「リズム感」は良い文章をたくさん読むことで初めて習得できます。ビジネス書より、エッセイや
文学の方がよいでしょう。私は浅田次郎先生の文書が大好きです。読み手のイメージを刺激する、
書きすぎない極意があると思います。最近読んだ中では「流星ワゴン」(重松清著)もリズム感よく
読めました。
自分の考えをわかりやすくまとめることができるようになると、思考が整理されます。それを
早くやれるようになると一定時間内の処理量が増えます。そうすると仕事や生活が楽になります。
“文章が書ける”ようになると、人生の生産性向上にも役立つのです。
おまけ
おまけー1:13日に新刊2冊発売です!
「社長の覚悟」(守るべきは社員の自尊心)ダイヤモンド社
「優秀なプレイヤーはどうして優秀なマネージャーになれないのか?」クロスメディア出版
おまけー2:先週1週間、南国に行っていたので“日焼け”しました。
“柴田さん、顏焼けてませんか?” ある人から素朴な質問。
“おー、麻布の日サロに1週間いたからな。”
“へー、それでですか。”
これで会話が終わると辛い。
おまけー3:3月5日に満53歳となりました!
が、気分は47歳。50歳になってから毎年1年若返っている感触があります。 (^_-)
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
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