「世界最高の投手」。
Newsweek日本版11月18日号のタイトルです。もちろん、ドジャースの山本由伸投手のことです。
MLBワールドシリーズの激戦をLIVEで、ニュースで、YouTubeで何度も見返した人は多いでしょう。私もその一人です。終わって3週間たった今でも、少しロスがあります。
“大谷翔平のように”“山本由伸のように”。
彼らの活躍を見て、「自分もあんなふうに活躍したい」と
火がついた野球少年、プロ・アマの選手はたくさんいたはずです。
あこがれの存在を見ると、「今の自分」と「理想の自分」のギャップが一気に可視化されます。
このギャップこそが、「もっと成長したい!」という強い推進力になります。
ぼんやりしていた理想像が、くっきり輪郭を持ち始めます。
「こうしちゃいられない」という想いが身体の奥から湧き出てきます。
- どのように働くのか
- どう考えるのか
- どんな価値観を持つのか
- どのレベルで成果を出すのか
こうした点が具体的に見えることで、理想の自分の“解像度”が一気に上がります。
“あんなふうになりたい”。
これは、人の成長スイッチを押す最強のモチベーションです。
振り返ると、私にも「あんなふうになりたい」と思った人が何人もいました。
中学1年のときの生徒会長Yさん。話し方も立ち振る舞いもとてもかっこよかったのです。自分が生徒会長になったときは、相当意識していました。
高校時代は、音楽部の部長Bさん。直接の接点はほとんどありませんでしたが、数々の伝説を耳にし、あこがれに近い感情を抱きました。私が駿台予備校から上智大学に進んだのも、Bさんが歩んだ道だったからです。
社会人になってからも、あこがれの対象は次々と現れました。
ホテル宴会サービス時代。朝のミーティング後、現場に姿を出さず裏の調理場でうどんを打っていたFさん。
仕事は完全にメンバーに任せ、宴席後に打ちたてのうどんを笑顔で振る舞う人でした。
普通なら「仕事してないじゃないか」と思いそうですが、全くそう感じませんでした。
オランダ日本大使館で働いていたとき。総理訪蘭準備で大混乱の中、応援に来てくれた在西ドイツの参事官のSさん。仕事のさばき方、英語・ドイツ語・中国語を操る姿に圧倒されたのを覚えています。
マーサー時代にもそういう存在がたくさんいました。例えば、
オランダ系アメリカ人Bさんのファシリテーション。
カナダ人の上司Eさんの利害調整の仕方。
オーストラリア人の上司Hさんの厳しいメッセージを優しく伝える技。
「あんなふうに仕事がしたい」と思わせてくれる人が次々と現れ、私の成長スイッチを押してくれました。
その後、重責を担うようになって思うことがありました。“自分が後進にとっての「あんなふうになりたい」にならなければいけない”ということです。それが管理職以上の重要な役割の一つです。
現職の管理職の皆さんは日々忙しく、目標達成に追われているかもしれません。
しかし、後進はみなさんを見ています。その視線を忘れてはいけません。
「あんなふうになりたい」と思われる人がたくさんいる会社。
そういう会社にすることが最強のモチベーション向上策だと私は思います。
おまけー1:アラフォー以上になったら、“あんなふうになりたい”と思われるためにも、自分のポータブルスキルと心の持ちようを集中的に鍛え直す機会をもちましょう。オンライン朝活のPHAZEリカレント17期(2026年1月21日開講、3月25日修了)の説明会を開催します。心当たりがある方はぜひ!
おまけー2:タクシーの運転手さんの鼻歌が” じゃじゃ、じゃーんぼじゃーんぼ、ねんまつじゃんぼ♪“だった件。