6月29日はパスの株主総会でした。新体制になって2度目の株主総会です。昨年度決算は
残念ながらまだ赤字。売上高は6.2億から22億に伸びましたが、全体としては、まだ
発展途上です。ご出席いただいた株主様から、“失望している。しっかりやりなさい。
”というご意見をいただきました。お言葉、正面から受け止めます。
来年の株主総会では胸を張れるように頑張ります。
最近「覚悟」という言葉について考える機会がありました。
ネットの辞書を見ると「悪い事態(に多大の努力がいるの)を予測して心の準備をすること。」
とあります。
“リーダーとしての覚悟”とした場合、待ち構えているのは必ずしも「悪い事態」では
ありません。むしろ良い事態にするのがリーダーの仕事ですので、最初から悪い事態を
予測して・・・というのはやや違和感があります。
私はこう思います。結果の良し悪しに関わらず、リーダーとしての仕事をすると、
その過程や、創った後に様々な事柄が発生します。それらに正対していると自分の感情を
殺さざるを得ないことがたくさん出てきます。その「心の準備」をすること。
つまり、自分の感情を殺すことへの準備。それがリーダーとしての覚悟だと思います。
組織の長になるということは、多くの人の人生に影響を与える存在になるということです。
自分の言動、意思決定が社員やその家族、取引先企業の社員とその家族の生き方、
生活環境に影響を与えます。顧客の人生にも何らかの影響を与えるかもしれません。
上場企業の場合には株主の資産に影響を与えます。こうした様々な利害関係者たちの
「期待」「希望」「不安」「怒り」を背負うことになるのです。
企業規模が大きくなればなるほど、大半の方々の個別の状況を知る由がありません。
直接語りかけることもできません。計画したことが実行されないことも多々あります。
更には自分の意に反した事柄が、あたかも自分の意思のごとく語られてしまうことも
あります。しかし、全ての責任はリーダーにあります。実行責任を果たせないときには、
厳しい言葉を浴びせられることもあります。
あっちをとればこっちがとれない状況、言い訳ができない状況、自分の正当性を
説明できない状況、こうした状況に身を置くことになります。何とも言えない感情が
湧き出てきますが、それは出せません。
また、決めるのがリーダーの仕事なので、何かを決めるということはそれに反することを
やらないということを決めることになります。一生懸命努力している事業やプロジェクトを
経営判断で止めるという決断はまさにこれです。当然ながら当事者たちからは
「怒り」「憎しみ」「恨み」が飛んできます。これらを受け止めなければなりません。
また、パフォーマンスに問題がある社員がいた場合に改善を要求し、それが見られない場
合には、大幅な減給、または会社の外に出てもらうことを伝えなければなりません。
ここでも「怒り」「悲しみ」「懇願」といった反応があるはずですが、それに
ほだされるわけにはいきません。共感しつつも決めた事は遂行しなければなりません。
事業の停止、雇用解除を伝えること。これもその一例です。それを言われて嬉しい
当事者はいません。それをわかっていても、伝えるときには伝えないといけません。
嫌な役回りです。それを担う覚悟です。
優れたリーダーは「周囲に良い影響を与えて組織を動かし結果を出す人」です。
それができるのは周囲の人たちがそのリーダーと一緒に働きたいと思っているからです
。しかしながら、みなに好かれたい、“いい人”だと思われないと思っていると
「覚悟」が不足します。覚悟の足りないリーダーは一緒に働きたいとは思われません。
その場しのぎで日和る(ひよる)からです。
リーダーになったなら、自分の気持ちはさておき、という覚悟が必要です。
リーダーである以上、自分の感情を殺すことは仕事のうち。リーダーを目指す人たちに
ぜひ知っておいてほしいことです。ただし、パッション(熱情)は失ってはいけません。
こういう難しい役回りなのです。
おまけー1:季刊誌DRESSの第二号が発売されました。今回のテーマはWAGAYAサードプレイス。
知人のSさんにご自宅をご紹介いただきました。(巻頭に発行人としてコラムも書いています。)
https://p-dress.jp/articles/2002
おまけー2:その昔、秋葉原の駅前にあった韓国料理店の「特別スンドゥブ」の味が
忘れられません。それを超えるものに出会っておりません。ただ辛いだけのは最悪。
魚介の味がベースにないといけません。誰かスンドゥブの美味いお店を知りませんか?