1046号「Proactivenessを覚醒させる」(メールマガジン「人事の目」)

優秀と評価されていない人には共通項があるように思います。
それはProactiveでないことです。

Proactiveとは「先を見越して動く」「当事者意識をもって動く」「積極的に動く」ことです。

‐指示がないと動かない
‐仕事が遅い
‐自分の責任という意識が薄い
‐何かあると会社の責任(会社が悪い)と主張する
(自分がその一部であると言う自覚がない)
‐仕事の依頼に対して、後ろ向きな対応が多い
‐チャレンジしない

Proactiveに動けていないのは「育ち」の影響が大きいとみています。過干渉な親の下で育ち、自分の意思とは関係なく受験勉強をさせられ、学校では校則に縛られ、かつ授業、先生も自分では選べばない環境で学生時代を過ごし、会社・団体に入ってからも、マニュアルやルールを守ることを強制され、上司から指示されることをこなす毎日・・・この流れは「Proactiveではない人」製造プロセスそのものです。

「育ち」となるとProactiveではないという自覚が生まれません。自分としてはあくまでも普通の動き方なのです。ところが、周囲からProactiveではない(=優秀ではない)と評価されてしまう。濃淡はあれ、この「育ち」で社会に出てきている人が増えているように思います。

組織の適応進化、課題発見力、ゼロベース思考が求められる中、組織と人の力を高めるために、一人ひとりのProactivenessを高めるための施策を実行することをお薦めしたいです。もしかすると、自分のProactivenessを覚醒させるチャンスなく今まで生きてきているのかもしれません。組織のためにも、その人のためにもその「チャンス」を企画しましょう。

Proactivenessを鍛えるには「意識」と「行動」の両面からのアプローチが必要です。

「行動」面のやり方の一例をご紹介します。チームでProactiveな行動例を考え、それがどんな良いことを行動の相手と自分にもたらすかを議論します。アイスブレークや目的の説明などのオリエンテーションを含めて90分のワークショップのイメージです。進行にあたり、プロのファシリテーターを招いてもよいのですが、利害関係がない社内の人がその役割を担うことができれば理想的です。プロを招いた方が良さそうなのは執行役員クラスのセッションですね。

「意識」面については、各個人がその意識をもつこと。自律的にそのための行動を起こすことが鍵となります。その要諦は「自分が直接影響できることに着目して、自分から変化を起こす」です。明日からすぐにできることをご紹介します。

それは「早起き」です。

通常よりも1時間早く起床します。仕事に行くため、家族のため、学校に行くため等、何かのために間に合うように起きて行動していると一日のスタートが「何かのため」きっかけとなります。ここを変えます。

自分の意思で自分のために1時間早く起きるのです。起床したらすぐにスマホは見ない。コーヒー片手に外に出て、太陽の光に触れながら、「***をする」と声に出してみます。神頼みではありません。自分がすることを声に出してみるのです。これを続けていくと自分の人生をハンドリングしているのが自分であるという意識が醸成され、それがProactivenessを高めます。冒頭に挙げたProactiveではない人の特徴にドキリとした方はぜひトライしてみてください。


おまけ:某地方空港の最終便で帰京しようとしたところ、悪天候により欠航に。こうした場合、過去の経験から航空会社のカウンターに並ぶよりも、空港近くのホテルをいち早く確保して移動するのが良いとわかっているので、速攻で「エアポートホテル」という名前のホテルを予約。タクシーに乗りました。

“こういうことは過去の経験とProactiveな行動だ”と自画自賛の気持ちでタクシーに乗っていたのですが、延々と着きません。大雨の中、30分から40分は乗車しました。

ホテルに着いて、“ここ、エアポートホテルという名前ですけど、空港から結構遠いですね”とフロントの人に話したところ、“あ、オーナーが空港みたいなホテルにしたいということで名づけたみたいですよ。空港のホテルじゃないです。”(人生の学びは続く。)





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