1049号「技能伝承」(メールマガジン「人事の目」)

今日のテーマは「技能伝承」です。
 
2024年10月1日時点の日本の総人口は約1億2,380万人。ボリュームゾーンは50歳から64歳です。10年後には60歳から74歳がボリュームゾーンになります。健康寿命が延びています。このボリュームゾーンの人たちの大半は10年後も働き続けていると思われますので、少子高齢化による人手不足問題は辛うじてなんとかなっている・・・と楽観しています。
 
ただ現在と同じ働きぶりか?というとそれはないでしょう。さすがにパフォーマンスの質と量は落ちていると思います。となると、この世代の「技能」をいかに「伝承」しておくか。これが今後10年にわたって人事マネジメント上の最大課題の一つとなるはずです。
 
一口に「技能」と言いますが、そのパフォーマンスを生み出している要素には以下の3つの要素があると私はみています。
 
・知識、手順、ツール(どんなツールをどのように扱っているか)という「静態的要素」
・身体的動作、とっさの判断、応用・工夫といった「動態的要素」
・こだわり、信念、矜持といった「人格的要素」
 
この要素の足し算に、全体に影響を与える関数として「体調、感情(モチベーション、喜怒哀楽)」があると私は考えています。

 

メカニズムにより発揮されている特定社員「技能」を伝承させる仕組みとして以下をお薦めします。

 

1. 伝承すべき技能を有する特定社員を複数選定します

2. 次にそ特定社員たちと同じ専門領域現役世代社員(普通レベル)を選び、合計10名程度グループをつくります

3. そグループ内全員を相互に比較し、秀でている「専門性」を言語化します

プロセスをIndigoBlueではマトリックスバトルと称しています。)

これにより、伝承すべき「静態的要素」と「人格的要素一部」が明らかになります

 

4. 次に特定社員たちディープインタビューを行います。インタビュー中では、本人こだわり、信念、矜持を言語化すべく、幼少期から育ち、社員人になってから経験談、影響を受けた人物など、ルーティンにしていること、意識して行っていること等について聞きます。

これにより、「人格的要素」が明らかになります。(人格的要素に技能レベルを維持し続けている秘訣が含まれています。)

 

5. 次に技能を伝承させる社員たちと伝承者と対話場、一緒に仕事をする場を設けます。こ場は断続的に設定し、最低でも1年は継続させます。日常的な忙しさに紛れて、こ場」づくりが進まなくなる怖れがありますで、実行管理をしっかり行います。

6. 定期的に技能を伝承者から継承する社員たちヒアリングを行い、伝承が進むべくサポートを行います。

 

プロセスを対象部門と相談しながら計画的に進めていくマネジメントが人事役割となります。社内技能伝承なで社内リソースで展開するが理想ですが、3.(マトリックスバトル)と4.ディープインタビューについては社内バイアスがかからないように外部専門家力を借りた方が良いと思います。(ご用命いただければIndigoBlueが“喜んで!”サポートいたします。)

 

気が付くとあっという間に1年が終わり、、3年、5年が経過します。「技能伝承」は時間を要します。未来ために足を止めて取り組む覚悟を。

 

 

おまけー1:「柴田さんが落ち込んだり、不調ときはどうやってリカバリーするんですか?」

ある方から聞かれました。隣にいた人が“アカスリだ!”と言いましたが間違いです。(惜しい)

答えは温泉です。スーパー銭湯もありです。(都内はほぼ全部制覇したはず)

 

おまけー2:「恩」を忘れてはいけないと常々思います。今月もありがたい御恩をいただきました。「恩返し」計画をしなくては。

 

おまけー3:美容院や理髪店で熱いタオルを顔に乗せてから「大丈夫ですかー?」と聞かれても、激アツに耐えた後なで「大丈夫です」としか言えないでは。




記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。

メルマガ登録

関連記事

TOP
TOP