1065号「家来マインドと家臣マインド別の人事制度を」(メールマガジン「人事の目」)

会社員の意識は、大きく次の3種類に分けられると思います。

  • 家来マインド:「雇われている」という意識の人
  • 家臣マインド:「自分が会社を動かしている」という意識の人
  • 衆マインド:「何の意識もない」人

これらの意識を踏まえて人事管理を2つの職群(甲群・乙群)で行ってはどうかと考えています。

家来マインドの持ち主は指示待ちで、与えられた仕事をこなすタイプです。労働基準法に基づき時間外手当の対象とします。報酬は、年間総労働時間2800時間、時給3,000円を上限として、年収840万円までとします。管理職にはなりません。フルタイマーとパートタイマーが存在します。

契約社員として入社してもらい、5年後に無期転換となります。(現行法どおり)
この人達を「乙群」とします。

衆マインドの人たちは置かれた環境次第で、家来にも家臣にもなり得ます。このマインドの人がボリュームゾーンだと思います。職群としては「乙群」として扱います。

家臣マインドの持ち主については、一定の裁量権がある経営に近い職種に就き、思う存分働いてもらいます。年収は600万円以上とします。(アメリカでいうAdministrative Exemptionに相当します。)

この人たちを「甲群」とし、管理職や高度専門職はこの群から輩出されるようにします。

「甲群」は委任契約、または業務委託としたいところですが、労働基準法の中で取り扱うとしたら、「乙群」と同じく契約社員として入社してもらい5年経過後に無期転換になるようにします。

「乙群」の人が「甲群」への職群変更を希望する場合は、認定プロセスに挑戦してもらいます。育児・介護・資格取得などの理由で、甲群から乙群への変更も可能とします。甲群への復帰も認定プロセスを経ることにより可能です。

私が提案するこの制度の最大のポイントは、自分の意思で所属する群を選べることです。それぞれの群内で実力や成果が評価され、昇給・昇格・賞与に反映されます。

現状の問題は、ひとつの制度が社員のマインドに関係なく適用されていることです。

家臣マインドの人は思う存分働き、実力を蓄えるべきだと思います。また、そうしたいと熱望しているはずです。“働かせない改革”や過剰なホワイト化によって、十分な経験を積めず、人材力・組織力が地盤沈下してしまいます。悪いことに問題意識がある家臣たちは成長機会を求めて外に出ていきます。

家来マインドの人は、「指示待ち」ということで低い評価をつけられると心外に感じるでしょう。彼ら彼女らは与えられた仕事をきちんとこなし、責任を果たしています。その努力や成果は、正当に評価されるべきです。

かつて内閣府の会に呼ばれたときに、ホワイトカラーエグゼンプション制度の導入を主張したのですが、制度を悪用して“対象者ついて働かせ放題にする”会社が出てくるとして却下されました。

実力ある家臣であれば理不尽な環境であれば外に機会を求めることができるはず。こう主張したのですが、“強者の論理”だとして否定されました。

優秀な家臣マインドの社員の実力を公に認証する仕組みがあれば活躍機会がより増えると思います。手前味噌ですが、OT(Organization Theater)はその認定として活用できると思っています。

衆マインドの人たちが家来マインド化し、家臣マインドの人がいなくなる。これ最悪です。今のままではやばいです。社内の人事制度を見直し、意識に応じた処遇の検討が必要です。

おまけ:新幹線に乗りこむまで手にしていたスマホが席についたら消えていました。東京から品川までの間、カバンの中や座席の下など必死に探したのですが、ありません。(うわー)と思っていたら、「携帯電話の落とし物が・・」というアナウンスあり。「それ、私です!」

無事、スマホを取り戻したのですが、とても不思議なことが・・・
同じ車両のかなり後部の座席の上に置いてあったそうです(瞬間移動した?)




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