今回のテーマは前回からの続き、
「管理職が罰ゲームにならないための処方箋」です。
管理職が罰ゲーム化する根源。
それは組織に漂う
「管理職たるもの“全知全能”であるべし」
という認識です。
この認識を上書きするアクション。
そして、それを担保する人事制度の改訂。
それこそが、罰ゲーム状態への処方箋だと考えています。
管理職を
「決める人」
「答えを持っている人」
と位置づけていませんか。
現実は違います。
情報は現場に分散しています。
判断材料は不完全です。
権限も限定的です。
それでも、何かあれば責任はすべて管理職。
「知らなかった」
「判断できなかった」
は許されない空気が生まれます。
その結果、
「全部わかっていなければならない」
という強迫観念が生まれ、
管理職は“全知全能”であろうとします。
部下たちも、無意識に期待していませんか。
困ったら答えをくれる。
不安なときに決めてくれる。
責任を引き取ってくれる。
一見、信頼のように見えます。
しかし実態は、
思考と判断を上司にお任せしている状態です。
この「お任せ」があるからこそ、
管理職は
「不安を見せてはいけない」
「迷ってはいけない」
存在になろうとします。
そして、
全知全能の仮面をかぶるのです。
この管理職・全知全能幻想は、
組織に悪影響をもたらします。
問題があっても、
早期に経営へ上がらなくなります。
「管理職は知っているはず」
「わざわざ言うまでもない」
異論や違和感も封じられます。
「管理職の方が正しいはず」。
決定の質は下がり、
次世代の管理職も育ちません。
判断は属人化します。
管理職が
「決める人」
「責任を取る人」
である限り、
判断はその人の中に閉じます。
現場では、こんな会話が増えます。
「あの人ならOKと言う」
「部長の機嫌次第だ」
「前回と違うけど、理由はわからない」
部下は、こう学習します。
どうせ最後はあの人が決める。
全部説明しても伝わらないかもしれない。
だから、あの人が気にしそうな情報だけ持っていこう。
情報は加工され、
不都合な事実は省かれます。
結果として、
ますます悪い情報が経営に届かなくなります。
管理職が“全知全能”という幻想。
それは管理職自身を苦しめ、
組織そのものを劣化させています。
オーナー社長の場合さらに重症です。
“全知全能を超える存在”と認識されている可能性が高いです。
では、どうやってこの幻想を上書きするのか。
・管理職研修で
「答えを出す人ではなく、問いを立てる人です」と伝える。
・職務記述書に
「意思決定を支援する」
「部下の自律を促す」
と書く。
これだけでは変わりません。
現場では、
即断即決が称賛され、
判断を持ち帰ると「遅い」と言われ、
トラブルが起きると
「管理職は何をしていた」と問われる。
よくある光景です。
研修や役割再定義の前に、やるべきことがあります。
それについては、次号で論じます。
おまけー1:年末にみた(ネットの評価は2.1と低いのですが)「ハウスオブダイナマイト」という映画がとても面白かったです。ネット評価なるものへの???も。
https://www.cinemalineup2025.jp/ahouseofdynamitefilm/
おまけー3:某コーヒーショップでレシートの番号ではなく、“スモークチキン&トマトのお客さまー!”“パストラミポーク&チキンのお客さまー!”と大声で呼ぶ女性店員あり。セットAとかBとかで覚えている人が多いらしく、大勢がカウンターの前で右往左往しています。
“レシート番号で読んでもらえませんか?”(と20代とおぼしき男性)
“T80” (それ登録番号)
記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。