Vol.761「組織内対話のススメ」(メールマガジン「人事の目」より)

大組織の意思決定者たちへのサジェスチョンです。

定期的に、できれば月1回、社内の全階層から人を集めて議論する場を設けましょう。
議論のテーマはなんでもいいです。階層や部署に関係なく話せるテーマがいいでしょうね。
例えば“いま、そこにある危機!”とか。

職制を通じてではなく、全階層の声に直接耳を傾けてみましょう。経営層のレーダー
スクリーンには映っていないびっくりするような発見があるはずです。
人を知るいい機会にもなります。

議論はできるだけカジュアルな形式が良いでしょう。車座みたいなスタイルが良いと
思います。ファシリテーターとノートテイカーは必要です。ちなみにファシリテーター、
ノートテイカーは課長クラスが妥当です。

時間は1時間。ランチタイムの開催でもいいでしょう。議論に参加する人数は10名以下
6名以上。例えば、“いま、そこにある危機!”をテーマに議論するとして、
こんな展開イメージです。


最初にそれぞれ簡単な自己紹介の後、ファシリテーターが全員に問いかけます。
「なんでもいいので、当社にとって危機だなあと思えることを挙げてください。」

大型のポストイットを配布して1枚のポストイットに1つの危機だなあと思うことを
書いてもらいます。この際、同じ色のポストイットで同じ黒のサインペンで書いてもらいます。

その後、KJ法よろしくポストイットを白板に貼りながら、ファシリテーターは
書かれている内容を音読しながら集約していきます。その際、書いてある内容が
わからないものに遭遇したら、すぐに書いた人に尋ねます。
「・・これは、どういう意味でしょう?」

ポストイットを集約したら、その集約したものに「見出し」をつけるようファシリテーター
から参加者に依頼します。「見出し」は分類ではなく、新聞の見出しのようにおおまかな
内容がわかるものにします。

見出し付で集約されたポストイットを眺め、ポストイットの数を数えます。枚数が
一番多いのが多くの参加者が気になっている内容ということになります。一方で一枚
しかないポストイットに注目します。マイノリティ。ファースト。まずはその内容の
共有から始めます。

そもそも一人しか気がついていない内容です。その人が大幅にズレているか、
他の人が気づいていないことに気づいているか。このどちらかですね。後者のケースも
少なくありません。埋もれないように最初に確認をします。

その後は、ポストイットの数が多い順に意見交換をしていきます。この議論を通じて
何かを決めるのではないことを確認します。この場は、あくまでも会社の中で起きていることを
共有するための場です。共有された内容を経営課題にするかどうかはNext stepになります。

終了時刻の10分前になりましたら、ファシリテーターはその日の議論をまとめます。
その後、参加者一人一人に感想を求め、終了します。ノートテイカーはその日のうちに
メモをまとめて参加者にメールします。これが一連のプロセスです。

こういうことに経営陣が時間を割く。組織を活性化させるだけでなく、リスクマネジメント上
も意味ある場になるはずです。300人を超える人数の組織では意識的にこの試みを取り入れる
ことをお薦めします。

おまけー1:アンパンマンの「アンパンチ」が暴力的という話が1か月ほど前にありました。
そうなると「僕の顔を食べて」はどうなるんでしょう?


おまけー2:ネッシー巨大ウナギ説からのダメージを引きずりつつ、調べてみたら、なんど
アナゴで6メートルのものが発見されたことがあるらしいです。写真見ましたけどすごいです。
超でかいウナギの“デカさ”はどのくらいなんでしょう?(といって少しモチベーションアップ)


おまけー3:時間を見つけて出かけてみようと思います。「文喫」
https://bunkitsu.jp/

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