Vol.368 "わくわく感"のパワー

私は、”わくわく感”を持って仕事している現場が好きです。
どんな仕事でも、”わくわく感”があった方がいいと思っています。
そこに活気が生まれます。活気は新たな発想を生み、顧客価値を高めます。

どんなに優れた戦略を立案したとしても、その実行の現場に
“わくわく感”があるかないかで結果が違ってくると思います。

私は社会人最初の仕事がホテルの現場でした。そのせいか、今でも現場のスタッフが
どんな想いで仕事をしているか、とても気になります。現場のスタッフが生き生きと
楽しそうに仕事をしているお店は大好きです。つい応援したくなります。
そういうお店には頻繁に通います。自然とスタッフとも仲良くなり、
自分の知人をどんどん連れていったりします。マイショップです。

一方で、”わくわく感”どころか、”やらされ感”が蔓延しているお店に遭遇すると、
気の毒な気持ちになります。そのなんとも言えない”どよーん”とした感覚が伝染してしまうので、
どんなにいいものを置いていたとしても、お客としてもう一回足を運ぶことはないです。

お店のスタッフが必死過ぎるのもNGです。”売りつけよう”という感じが信頼できません。
この人は私のために提案しているのか、自分のインセンティブのために提案しているのか・・・、
おそらく後者だろうと感じてしまうからです。

お店のスタッフに”わくわく感”を感じるお店には共通の特徴があります。
スタッフが「ここは私のお店です」という気概で仕事をしています。
特に店長、マネジャーがそうです。
お客様が来てくれるのが、嬉しくてたまらないという感じになっているので、
その感情がお店全体に伝播しています。その”わくわく感”はお客様にも伝播します。

お客様が来店したときの声掛け一つにしても違います。誰が来ても判を押したように
「いらっしゃいませー!」と言ったりはしません。例えば、「柴田さん、こんにちは。」です。

お客さまの顔を見ずにとにかく「いらっしゃいませー」を連呼する”やまびこ”コール。
私は嫌いです。これには心がありません。誰が来ても一緒ですし、うるさいだけです。
“わくわく感”は全く感じません。

“わくわく感”は自分で何かの仕掛けをして、それがどうなるかをハラハラしながら見つめる・・・、
ここから生まれます。お店に例えるなら、あのヒトにこれをおススメしたい、
喜んでくれるかな? どうかな?・・・。この感じです。自分の仕掛けが肝なのです。

そうは言っても、お店が全国規模になると、仕掛けが現場から遠いところで
行われるようになります。仕入れ、値付けは本社主導、販促についても、
細部にわたって本社からディレクションがなされるようになります。
このやり方は大規模オペレーションとしては正解です。
これをやらないと、とても非効率になります。
但し、課題は現場の”わくわく感”。これを、いかに維持するか、です。

基本は「Plan-do-see」を奪わないこと、だと思います。現場が仕掛けを考える余地を残し、
それを奨励する。その結果についても、自分たちで検証するようにする。
私はこれだと思います。

現実的には、現場で仕掛ける要素と本部で仕掛ける要素の配分の問題だと思います。
過日、とある全国DVD/CDチェーン(TSUTAYAではありません)で
前年比120%から150%の数字を継続的に出しているお店があると聞き、
早速、そのお店の店長に会いに出かけました。

その秘訣はシンプルでした。本部仕入に頼り切るのではなく、
店舗での仕入れを25%程度やっていること。これだけでした。
しかし、それだけで、現場に”自分が入れた商品”という想いが生まれます。
その仕掛けが当たるかどうか、”わくわく感”します。
このため、常にお客様の動向を気にするようになったとのこと。
これがお店の業績を底上げしています。

売上向上のための販促施策が多様化、複雑化しています。それらも効果があるのでしょうが、
そもそもの原動力は売り場そのものである、ということを忘れないようしたいものです。
その原動力を左右するものが、スタッフの”わくわく感”だと、私は思っています。

わかりやすい事例として「お店」を題材にしましたが、
すべての職場にあてはまる話だと思います。

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おまけー1:サプライズの演出には、いつも”わくわく感”があります。
先日、某企業の1泊2日の”虎の穴”型研修の2日目。参加者の1名が誕生日であることに気づき、
事務局にお願いして急きょバースデーケーキを用意してもらいました。
その人が発表で前に立ったときに、バーンとケーキを出しました。
こういう仕掛けっていいですねー。

おまけー2:CCC時代に、某広報担当者が自転車で通勤していると聞き、その自転車に
毎日細工しようという企画もわくわくしました。彼が乗ろうとすると、サドルがついていない。
しょうがいないので彼は立ち乗りして帰る。と、自宅にサドルだけが届いているとか。

おまけー3:京王プラザの人事時代に、Uさんの電話の耳のところに脱脂綿を仕込んでおき、
彼が電話に出たときに、”うわわ”となることをイメージして、仕事中わくわく。
(しかし、ロクなことをしておりません。)

おまけー4:Indigo Blueの中山コンサルタントによる「実践、会議術!」。
なかなかいい感じになってきました。8月は3回やります。
1回の参加でそれなりのTake awayがあるつくりになっています。
夏のスキルアップにぜひ、ご参加ください。

http://www.indigoblue.co.jp/kaigijutsu/index.html

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