「チームメンバーに依頼した仕事の出来が悪い。腹立たしい。叱る。しかし改善されない。
どうしたものかと頭を抱える。・・・職場で日常的に見かける風景です。
仕事の出来が悪い。そうなる理由は次のいずれかです。
「発注者のアウトプットイメージが伝わっていない」
「担当者の能力不足」
「担当者がサボっている」
私の経験則的には、「伝わっていない」が50%、「担当者の能力不足」が40%、
「サボり」が10%です。
叱って効くのは当人に自覚がある「サボり」の場合です。それ以外の場合で「叱ってばかり」
いますと、担当者は叱られないようにやるようになります。自分で考えるのを止め、
発注者の顔色伺いになります。これは本質から外れています。
ちなみに「叱る」は「ペナルティを与える、つまり評価を下げる」と同義です。“仕事の
出来が悪いので評価を下げる”を振りかざしていると、評価ばかり意識した行動になります。
自分で考えることを停止します。
本人にサボっている意識はない。しかし、その行動を見ているとやるべきことをやっていない。
これは「サボり」の範疇ではなく「能力不足」です。叱っただけでは改善されません。
なにしろ、やるべきことが見えていないのですから。見えていない人に「なぜ、見えない!」
と叱っても見えません。相手がわかるように噛み砕いて指導しない限り、見えてきません。
思い出されるのが、山本五十六さんの名言です。
“やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。“
但し、これを2度やっても改善されない場合には「できない仕事をやらせている」と
理解しましょう。そうなると発注者側(自分)の問題。間違った人に発注しているのです。
これは発注側も受注側も不幸。その人にその仕事を発注するのを止めましょう。
“頑張ります!”“やらせてください”にほだされ、能力以上の課題に取り組ませていないか、
冷静に考えてみましょう。
「発注者のアウトプットイメージが伝わっていない」理由は、受注者側の受け止め力(理解力)
不足もありますが、多くは発注者が丁寧に伝えていないのがその原因です。“言わなくても
わかるだろう”と思って指示をしていないがために出来が悪くなるのです。
マイクロマネジメントは良くない、と多くの人は知っています。そこでつい気になっている
詳細を言わない。しかし、結局、アウトプットのそこが気に入らず、やり直しを命ずることになる。
自分が気になっている点、こだわりを発注(依頼)時に丁寧に話すのはマイクロマネジメント
ではありません。四六時中、監視し報告を求める。これだと担当者が信頼されていないと感じ
、モチベーションの低下につながります。これこそ問題視されるマイクロマネジメントです。
発注内容を丁寧に話し指導し、その後任せればいいのです。
このこともわかっているが忙しいがゆえに、ついつい依頼が大まかになる。これもよくあります。
しかし、結果として、出てくるものの出来が悪く、結局自分の時間を使うことになり、
更に忙しくなります。これはアホな展開です。
最近、明らかにこの最後のパターンでうまくいかなかったことがあり、大いに反省しました。
全てはきちんと打ち合わせをしなかったから。全て発注者の責任。関係者全員の前で
“ごめん。今回うまくいかなかったのは全て私の責任”と謝りました。
リーダーのタイムマネジメントがチームの仕事の出来を決めますね。
おまけー1:プラチナ通りの下に「心米」というレストランがあります。ここでは各地の名産の
お米を土鍋で炊いてくれます。売りはお米のお品書きです。土鍋で炊いてもらうお米を選べます。
土鍋で炊き立てのお米を食べ比べてみると、同じお米でも明らかに味や食感が違うことがわかります。
感動ものです。しかしガツガツ食べてしまうとわかりません。
おまけー2:今さらながらですが、「Doctor-X(米倉涼子)」は面白いですね。
水戸黄門的展開なのですが、サラリーマン社会の悲哀も描かれており、楽しめます。
http://www.tv-asahi.co.jp/doctor-x/
おまけー3:NHKで先週から始まった「土曜ドラマ:ダークスーツ」。役員会メンバーが濃過ぎるのと、
石丸幹二さんの演技の中でいくらアメリカで成功した設定とはいえあの演出はない(笑)ですが、
これもおもしろいです。