“障害はその社会のスタンダートに合っていないことである”
発達障害者の社会復帰を支援する事業を行っている
株式会社キズキ代表の安田祐輔さんの言葉です。
“米国におけるADHD(注意欠陥、多動性障害)者の割合は日本と比べると低い。米国では
職場等で動き回る人が比較的多いので、動き回ることをそれほど気にしない。日本は
そうではないので気にする人が多い。この差が数字に出ている。“
受け入れる土壌の違い。考えさせられる話です。
ADHDやASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、LD(学習障害)といった
発達障害者について語られるようになったのはここ数年です。この“障害者”と、
どのように向き合っていくか、どう受け入れていくか。
間違いなく今後の組織マネジメント上の課題だと思います。
以下はネットにあるASDの特徴例の一部です。
・丁寧に接しているつもりでも、無礼だとか失礼だとか言われてしまう。
・会話をするときに相手の目を見て話すことができない。
・違うことを試すよりも、同じやり方を何度も繰り返す。
・悪気はないのに事実を言ってしまい、相手との関係性が悪くなったりしたことがある。
・日々のルーティンが何らかの理由で出来なかったり、予定していたスケジュールが
キャンセルされると、動揺して頭が真っ白になる。
・・・身近な人たちの顔が浮かびませんか。
問題だと思っている彼ら彼女らの行動ですが、これは“発達障害”によるものなのかも
しれません。そうなると、“発達障害”というものの特徴をよく理解せずに、自分の物差しで
対応しようとしても事態は改善されません。(むしろ悪化するかもしれません。)
よく調べてみると、“発達障害”は非常に身近な問題だということがわかります。
2012年の文部科学省の調査によると、全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査で
、”発達障害の可能性がある”とされた児童生徒の割合は6.5%にのぼるそうです。
100人いると数名はいるということになります。
子供だけの問題ではありません、大人もそうです。驚くことに自分にも当てはまることが
あったりします。私は居酒屋などの騒がしい場所だと目の前の人の話は集中しないと
聞きづらいのです。大勢の人の話し声が同じボリュームで聞こえてしまうからです。
私が会食の場で個室や比較的静かな場所を選ぶのはこのためです。
また、集中を必要とする仕事のときに耳栓をするのはこのためです。
しかし、これは「聴覚過敏」という発達障害だと指摘されました。
Youtube上に「聴覚過敏~居酒屋」という投稿がありました。
まさに私が騒がしい場所で聞こえている状況そのものでした。(ご興味ある方は上記で検索を)
(一方でこの“障害”があるために、多人数での会議で、参加者のちょっとした発言を
聞き漏らすことなく、ファシリテーションができるのだと思います。)
こうした“発達障害”傾向のある人がいることはもはや前提です。その上でどう対処
していくか。これはピープルマネジメント上の課題として顕在化するはずです。
最終的には排除せずに、いかに受け入れ、活躍してもらえる土壌をつくるか、
ここがゴールになると思いますが、まずはマネジメント層が知識として
“発達障害”のことを知ること。ここからだと思います。
また、“発達障害”であるが故に特定分野で著しい成果を上げている人もいます。
朝9時に会社には来れないが特定テーマについては余人をもって代えがたい仕事を
する人をどう活用するか。これもテーマの一つになりますね、
おまけー1:前回のメルマガで「Mr. 火に油を注ぐ人」へ、メールしてくるように
と書きましたところ、14名の方からご連絡をいただきました。違います。
みなさんは大丈夫です。私が意図したのは大阪にいる某さんです。
おまけー2:某企業訪問のときのこと。先に行っているYさんに電話。
“そろそろ着くけど、どうしたらいい?”
期待した答えは、“迎えに行きます。”
実際には、“知らんぷりして、さっと、できるだけ早く受付前を通過してください。”
おススメコーナー:暗闇の中でのコミュニケーションを体験できるダイアログ・イン・
ザ・ダーク。移転された浅草橋の「Tokyo Diversity Lab.」を訪問しました。
相変わらずいいですね。企業研修の受付だけのようですが、チームビルディング、
マネジメント職の気づきに、強くおススメします。