期待されている姿をイメージ。その姿を徹底的に演ずることはそんなに難しいことではありません。全体が成すべきことは何か、その中で自分が成すべきことは何か、この判断さえできればいいのです。あとは成すべきことを遂行できる「実力」があるかどうかです。この「実力」だって、経験と本人の自助努力でどうにでもなります。
要は「全体観」と「貢献心」です。
「体験型ケーススタディ:Organization theater」というプログラムでは受講生たちが「社長」「営業部長」「広報担当」等の役割をキャスティングされ、架空の企業・団体の人間として課題解決にあたってもらいます。通常で7時間、長いものだと2日間、その役割になり切ってもらいます。
役割になり切ってもらうための環境設定にはこだわっています。どえらく手間もかけています。小道具もそうですが、受講生たちは映画「『トゥルーマン・ショー』(The Truman Show)」の主人公のような環境に置かれます。
プログラム中はプロの役者が”ホンモノ”の利害関係者として登場します。
受講生たちはその中で絶対解のない課題について「時間」「量」「感情」のプレッシャーをかけられ、それでも課題の解決にあたることを求められます。
このプログラム、最近では課題解決の高地トレーニングとも言われています。職場に戻ると、日々の仕事がなんと楽か、と思うという声が多いので。(狙った以上の効果です。(^^)v )
さて、”役割になり切る”ということを実感してもらうための仕掛けが「体験型ケースタディ」でのキャスティングです。本来のそのヒト、素のそのヒトとは異なる役割を割り当てています。
先週の木曜日から土曜日まで、毎月1回の柴田塾でした。柴田塾は連続3日のオープンのリーダーシップ・プログラムですが、2日目がこの「体験型ケーススタディ」になっています。
今回のシナリオは、とあるベンチャー企業が起死回生で開発・提案し、採用されたはずの案件がキャンセルになりそうになり、倒産の危機をどう乗り越えるかというものです。
受講生たちはこのベンチャー企業の社長以下、全役員、社員という役を割り当てられます。社長のキャスティングにあたって、現職の「社長」や「事業本部長」を社長にはしません。むしろ、現職者や近い将来、そういう役割を担うであろう方については、敢えてナンバー2やナンバー3の役どころにします。また、通常、営業担当のヒトであれば管理担当とし、その逆もあり。年齢の若いヒトを組織的に上のポジションに置いたりします。
更に、合理的な判断が得意なヒトには共感を問われる役目にします。
素の自分では対応できない状況に置き、どう立ち回るのが良いかイメージしてなり切ってもらうこと、また、日常的に自分がやっている役割を演じている誰かを見て、気づきを得てもらう、こんな期待があります、
今回「社長」役にキャスティングしたのは、”これまでナンバー2の役割が多かったが、今後は上の役割にチャレンジしたい”という方と、”自分のリーダーシップスタイルを見直せと言われている”という方。
大変な1日だったと思います。お二人とも終了時には顔が変わっていましたので。しかし、それだけにわずか一日ですが、忘れられない体験ができたはずです。取締役以下、他のキャストを演じた方についても各々、それなりに”痛い”想いをしたはずですが、この”痛さ”が必ず次につながります。
今回、本ケース初の「倒産回避」に展開できたチームが誕生!
(終了後、思わず涙ぐむ受講生とスタッフ!)
「社長」という役割をいろいろなところで担って早や13年。「社長」というのはまさに全ての利害関係者が期待する姿を演じる役回りであることを実感しています。
おまけー1:6月4日発売の新著「遊んでいても結果を出す人、真面目にやっていても結果が出ない人」。
文庫本なのでお近くの書店でお求めいただけないことがあります。ぜひECをご利用ください。
おまけー2:20代の方々に自分の生き方を見つめるきっかけにしてほしい、と企画したイベント「仕事の最大の報酬。それはもっと”いい仕事”!」、いよいよ、さ来週の6月17日(月)に近づきました。
私とミュージカル劇団に務める20代の俳優とのトークセッションと、本番直前のリハーサル見学と本番鑑賞がついた特別研修です。
若者にチケットを買ってあげて「就業時間中だが、研修だ。行って来い。」というカッコいい大人を演出してはいかがですか? (^_-) (一人8,000円です。)
おまけー3:スーパーのレジで並んでいるときに着電。手にしていたレジ前の商品を、うっかり前に並んでいたおばさまのカゴに。しかし、そのおばさま。
ニッコリと会釈して購入。(これぞ仁徳!