Vol.525 Change people, or change people?

“Do you change people, or change people?”

(うまくいかないときに)外すのか、それとも、その人の行動を変えるのか?

幹部に登用したが、期待したパフォーマンスをあげてくれない。それなりのフィード

バックをしたが改善しない。このままでは外さざるをえない・・・、しかし、ここで外すと

チームが混乱する・・・。当人も辞めてしまうかもしれない・・・ (と悩む)

こんな経験をしたことがありませんか?

私にはあります。“苦渋”の経験として記憶に残っています。“苦渋”と書いたのは、

うまくできなかったからです。明らかに“外す”までの対処と“外す”タイミングを誤りました。

今から思うと、“外す”までにやっておくべきことをやらず、しかも決断時期をズルズルと

引き延ばし・・・。結果として、ご本人にも、そのチームにも、会社にも良くない結果を

もたらしたと思います。

正確にはその人は私が登用したのではなく、過去からずっとその会社の幹部でした。但し、

再建にあたり、全てのポジションを見直した結果、「続投」を責任者の私が判断しました。

ですから、その人の起用の責任は私にあります。

一緒に仕事を始めてすぐにその幹部の動きに不満を覚えました。何をやっているのか見えず。

会議で聞く話は要領を得ず。数字も上がらない。しかし、経験豊富なベテランだからやれるはず・・・。

気になる行動はあったものの、若手社員じゃないので事細かく指導するのははばかられました。

“これを達成してくれ”という指示、“こうしたらどうか?”という提案はしましたが、それだけ。

彼自身の行動には踏み込みませんでした。

今思うにこのやり方では改善するわけがなかったです。ダメ出しして放置するのとほぼ同じですから。

誰でもダメ出しされて、すぐに行動改善できるわけではありません。これはベテラン、若手関係

ありません。むしろ、ベテランになればなるほど若手よりも変えるのが難しいでしょう。

思考パターン、行動様式が固まっていますから。

やれと言って変えられるものではありません。その人が“変えたくなる”ように仕向け、その恩恵を

実感させるプロセスが必要です。逆に言えばそれをやればいいのです。

本人が「気づき」、「受け止め」、その気になり、自らの意思で「行動を見直し」、それが「定着」

して初めて行動改善が実現します。但し、「定着」までいくのは結構たいへんです。当人の行

動変革をガイドする人がいた方がいいです。

上司がそれをやれれば理想的なのですが、直属上司ということになりますと、見なくてもいいこと

までお互いに見てしまったり、業績目標のプレッシャーがあったりして、なかなかスムーズには

いきせん。これは夫婦も同じ。近過ぎるとガイド役には不適です。社内であれば、別の組織の

人間がいいでしょう。幹部であれば外部の助けを借りるのが良いと思います。

その際のポイントは、その人が、どのような状況だと、自発的に動くのか、その“行動源泉”を理解し、

それにマッチした施策を提供することです。

上司や部下に認めてもらいたいという欲求が強い人であれば、その人にスポットライトが当たる

シーンをつくる。ボーナスが効くのであれば少額でも臨時のボーナス(スポットアワードといいます)

を払う、等。

この行動を採るとこんないい事がある。これを頭で理解して、体感すれば変わります。しかし、

この“いい事”は人によって違うことにご留意を。

ちなみに、このベテランの行動源泉は「部下たちから頼られる」だったと思います。彼にダメ出しを

するのではなく、彼がそういう思いをするような仕掛け、環境設定をしていけば、だいぶ違う結果に

なったのではないかと反省しています。

今だったら、彼にコーチをつけます。しかし、当時はその発想が全くありませんでした。日本企業では

伝統的に、トレーニングというと若い人が対象で、しかも集合型です。しかし、影響力のあるポジション

の人を対象とした個別トレーニングの方が会社の業績に与える影響が大きいことを実感しています。

(そろそろ考え方を変える頃ですね)

おまけー1:Oの脅威。柴田塾に参加したFさんが「個別フィードバック」を希望。食事をすることに

したら、Fさんが上司のOさんを誘い、そのOさんがOさんの知人で(「柴田励司」に会いたい)と言って

いたOさんを呼び、さらに「柴田さん来るなら、行きますよ。」という仕事仲間のOさんも参加。

結局、Oさんたちに乗っ取られた会食に。(“よくある話。人生とはそんなものだ。”これがFさんへの

フィードバックに)

おまけー2:プラチナ通りで手を挙げたら、仮免練習中の教習車が停車。

しかも、後部座席のドアが開く。(どうしたらいい?)

おまけー3:“想像力で遊べ” 写真家Richさんの作品を見ていると想像力が膨らみます。

Indigo Blueのオフィスで飾ることにしました。

http://www.richphotoclub.com/works_animals.htm

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