PC一つで世界中どこからでも仕事する、デジタルノマドと言われる人たちが増えています。雑誌フォーブスによると米国の労働者の約11%がデジタルノマドを自認しているとのこと。
このデジタルノマドを呼び込もうという動きが各国で活発になってきました。イタリア、チェコ、オーストラリア、ドイツ、アイスランド、スペイン、インドネシア、台湾、ノルウエー、ボルトガル、タイなどでビザ発給を始めています。お隣の韓国でもこの1月1日から試験的に導入しています。ちなみに韓国の仕組はこんな感じです。
申請できるのは18歳以上。同じ業種で最低1年間の職務経験があり、年収が8496万ウォン(約926万円)以上であること(これは韓国の1人当たりの国民総所得である4248万ウォン(約463万円)の2倍です)。また、雇用形態や犯罪歴、民間医療保険への加入を証明する書類も求められます。このビザを取得すると、配偶者と18歳未満の扶養家族を同伴することができます。韓国でデジタルノマドをしてみたい方は韓国大使館へどうぞ。
各国がデジタルノマドを呼び込もうとしているのは、優秀かつ所得が高い外国人による経済波及効果です。日本でも2023年度の「骨太の方針」にデジタルノマドビザの導入に向けた制度整備が盛り込まれ、検討が始まっているようですが、インバウンドによるオーバーツーリズムが問題視されていること、パーティ券問題で自民党の主要政治家の動きがとれないので時間がかかりそうです。
デジタルノマド、ワーケーション、在宅勤務。いすれも「他の人たちと同じ場所、同じ時間に仕事をしない」という働き方です。コロナは無理やりリモートワークを強いたわけですが、この働き方が自分の育児や介護など家庭での役割を助け、かつ自分の私生活を充実させることができることに多くの人が気づきました。私もその一人です。当然のこととして、働く人たちの感情として、コロナが明けた今もこれを恒久的に継続したいという願いがあります。これが多様な働き方を実現してほしい、という動きにつながっています。
今や多様な働き方を許容することが優秀な人材のA&R(獲得と引き留め)上、重要な要素になっています。一方で多様な働き方を許容することによって、成長機会が失われたり、個人および組織の仕事のクオリティが落ちてしまうことはなんとしても避けなければなりません。自由に働くことを望むのならば、そこで働く人たちが自分の仕事のクオリティや組織力を維持向上していくことにコミットすることが大前提となります。「多様な働き方」と「成長機会」をいかに両立させるか。これが命題となります。
(このテーマ、次回に続きます。)
おまけー1:自由に働きたいなら、自分のスキルを磨き、かついざというときに頼りになる社外の仲間をつくっておくことが必要です。PHAZEリカレント11期の申し込み締め切り迫る!
おまけー2:OT(修羅場を疑似体験する体験型ケーススタディ)の無料説明会が1月31日にあります。13時から14時半の回と15時から16時半の回に空があります。OTの導入をご検討中の方はぜひ!
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おまけー3:BTSのVRによる8Kライブコンサートに行ってきました。BTSというよりも、VRの可能性を探りに行きましたが、なかなか良いです。エンタメの可能性が拡張されていることを実感しました。東京ベルサール羽田空港で1月25日まで。(事前予約要)
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