仕事は抜群にデキる。但し、ヒトが離れていく人がいます。
上司からすると、信頼できる部下の代表格です。難しい案件であっても、そつなく
こなしてくれます。顧客の評価もすこぶるいい。常に顧客の期待を上回る仕事をします。
大型案件の獲得、クレーム対応、見事なものです。
しかし一緒に働くメンバーが去っていきます。
優れたリーダーは、“周囲に影響を与えて組織を動かす人”です。その人の日常的な言動、
存在感から周囲が感化され、1から10まで指示しなくてもメンバーが適切に動く。
そういうチームを創れる人が優れたリーダーです。
優れたリーダーは抜群に仕事がデキます。これなしには周囲がその人の影響をうけません。
一緒に働く人が目標にしたい、あんな風になりたいと思うだけの力量があってこその感化です。
これは専門性である必要はありません。むしろ、マネジメント力、問題解決力、交渉力、
プレゼンテーション力等のポータブルスキルです。その凄さが、“あんな風に仕事が
デキるようになりたい”と周囲に思わせるのです。
但し、これだけでは本当の意味での優れたリーダーにはなれません。
もう一つ、決定的な要素があります。一緒に働くメンバーが“自分のことをわかってくれる人だ”
と思うかどうか。これです。仕事力だけではく、人間力が問われているのです。
仕事が抜群にデキたとしても、ここが弱い、または“無い”と人が離れていきます。
この人には変なことをされない、という安心感がないと心を許して仕事ができません。
誰しも得手不得手があります。弱点もあります。弱点を見せたら最後、何かのときに
“刺される”という恐れがあると、常に一定の距離感をもって接することになります。
そうなると、仕事面で学ぶことがなくなったと判断したときにヒトは離れていきます。
自分のことを育てようとしてくれているのか、いざというときに守ってくれるかどうか。
それとも、“駒”なのか。一緒に働いているメンバーは感覚的にわかっています。
後者の場合、そのチームがどんなに良い仕事をしたとしても、仕事が終われば関係性も
おしまいです。
「仕事がデキるだけの人」は上には大変良い顔を見せます。上へのメールの返信も早いですし、
痒いところに手が届くような仕事ぶりです。ホスピタリティとは「相手が欲することを予
見して動くこと」ですが、上からすると申し分のないホスピタリティを発揮してくれます。
(滅私奉公です。)
しかし、下に対しては異なる人格で接し、使い倒します。こんな人のことをある方が
「逆さ剣山」と表現していました。うまい表現です。自分のためにいい仕事をしてくれる
人が「逆さ剣山」かどうか。この見極めをしないと、トップの人を見る目が疑われます。
こういうところから組織感情がおかしなことになるので要注意です。
「人が離れていくかどうか」。これが判断材料になることは間違いないのですが、
離れていくメンバーに問題があることもあります。こんな事例がありました。
あるリーダーを新たに採用した後に多くのメンバーが離れていきました。すわ逆さ剣山か、
と思ったら違いました。そのメンバーたちは、長年にわたって“甘やかされていた”ために、
まっとうなリクエストを“まっとう”と感じられなくなっていたのです。なによりも、
その新しいリーダーは過去に一緒に働いた人たちに強烈に慕われている人です。
そういう関係性を築いてきた人がおかしなことをするわけがありません。
過去の評判も良くない、メンバーたちの様子もおかしい(目を合わせない、会話がない等)
の場合には、どんなに良い業績を上げていたとしても外した方がよいでしょう。
そうしないと組織全体がおかしなことになります。この見極めは上の大事な仕事です。
ちなみに、ホットライン系の内部通報は“仕組まれている”こともありますので、
鵜呑みしませんように。
おまけー1:自宅近くのお店(飲食、ファッション系)が次々に閉じています。
顔を合わすと立ち話をする間柄だけに非常に寂しい。街が変わっていくとはこういうことか。
おまけー2:台風が都内を通過したその時間帯にアポあり。普通は「見送りましょう」と
連絡があるはずですが、その連絡なし。自分が設定したアポなら絶対に連絡するのに。
ということで傘を横にさして出かけたのでした。
おまけー3:絆創膏ダイエットに挑戦。すぐに1キロ落ちたのでびっくり。
しかし、その後変わらず・・・。あれは1キロだけなのかもしれません。
大きな絆創膏を貼ればいいのでしょうか。