1003号「周囲との軋轢を起こしやすい人、苛立つことが多い人へ」(メールマガジン「人事の目」)

今日のメルマガは周囲との軋轢を起こしやすい人、苛立つことが多い人へのメッセージです。

自分が正しいと思っていることが「絶対的真実」だと考えないようにしましょう。

「絶対的真実」とは、「真実はひとつだけ」とする考え方です。自分が正しいと考えることは、あくまでも自分の価値基準に基づいた見解です。価値基準が異なれば見解も違ってきます。「絶対的真実はない」と思えるようになるといろいろな局面で精神的に楽になります。

例えば、自社の経営陣がある事業を止めるという判断を下したとします。それを聞いて、とても承服できない、経営陣は何も考えていない、アホだ!と決めつける前に自分がその判断をなぜ受け入れられないのかを冷静に考えてみましょう。(お薦めは書き出しです。)

・自分が関わっている事業だから
・自分が応援している事業だから
・関係者のモチベーションが心配だから
・判断を下すにはまだ早いと思っているから(その根拠もあり)
・その事業の可能性を信じているから(その根拠もあり)

こんなことが出てくるでしょう。

その背景を見つめてみましょう。自分が関わっているのであれば、自分のポジションを失うことになるので抵抗したいと思うのは当然です。応援しているということは、経営会議やその他公の場面でそのことを発言してきたかもしれません。それが取り止めになるということで、応援していた自分の目を疑われることを気にしているのかもしれません。関係者のモチベーションが気になる・・・関係者から助けてくれない人だと思われることを怖れているのかもしれません。判断を下すのが早い、その事業には可能性がある、と考える背景には自分が「正しい」と思っているので、それを否定されることが許せないのかもしれません。

いずれも「エゴ」によるものです。

この「エゴ」は人間である以上、誰にでも当たり前に存在します。事業を止めると判断した経営陣にも「エゴ」があるはずです。

事業を止める判断理由は「業績不振、赤字、必要資金が過大、資金回収が見込めない」であることがほとんどです。ただし、その背景に業績不振の事業を放置しておくとガバナンスが効いていない、リーダーとしての仕事をしていない と否定されることを怖れる感情があるかもしれません。

「エゴ」を対立構造にしたところで良い結果になるわけがありません。これはパワーゲームになり、上位職や声が大きい人が勝ちます。勝者が出るということは敗者も出ます。敗者は捲土重来の機会を待つことになり、水面下で対立が継続します。

共に同じゴールに向かうもの。勝ちも負けもありません。ここはお互いに相手の「エゴ」を理解しようと試みることで相手の視点や相手が怖れていることがわかってきます。その上で対話を重ねるのです。相手の民度によりますが、この姿勢で向き合うことで歩み寄りが期待できるはずです。

「エゴ(自我、自尊心)」と「エゴイズム(利己主義)」は違います。「エゴ」はあって当然です。それにいかに向き合うか。この向き合い方次第で軋轢や苛立ちが減ります。

おまけー1:最近、職場でもリュックサックを背負う人がいるのは竈門炭治郎のせいだと思ってます。

おまけー2:「社長と人事の共創塾」、組織のリーダーと人事責任者の異業種勉強会です。ぜひ!
https://youtu.be/fphABkQsGQs

 

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