トップになったら“持っておきたいもの”が3つあります。
まずは「メンター」です。トップになると注意されなくなります。“唯我独尊”状態になりがちです。定期的に対話して自分の考えが偏っていないか、そこに自分のエゴがないかを確認するのです。
このメンターですが利害関係がない人にお願いするのが良いでしょう。顧問、アドバイザーなどの役割をお願いして正式に契約するやり方もありますし、お食事にお誘いするなど、勝手にお時間いただくやり方でもよいと思います。非上場企業であれば社外取締役の方にお願いするのもありです。とにかく、忖度せずに何でも言ってくれる方にします。自分よりも年長の方、経験豊富な方にお願いするくケースが多いでしょうが、この人と定期的に対話の場を持ちたいと思える人であれば、その限りではありません。
対話の場では“チェックをお願いします”とやるのではなく、自分が気になっていること、判断に迷っていることをお話し、メンターの反応から確認します。トップになると社内で相談できないことも多々出てきます。立場を気にせず話せる相手がいること自体ありがたいものです。
二つ目は「主治医」です。トップが心身ともに健康であることは、個人の問題を超えて会社全体の健全な成長と発展を支える基盤となります。当然ながら人間ドックにはかかっていると思うのですが、自分のことをよくわかっているお医者様をもつことは必須です。私は24年にわたり、同じドクターに定期的に診てもらっています。年1回の人間ドックのほかに3回ほど簡易的な検診をしてもらっています。
健康状態を定点観測することで、一般的な所見を超えるアドバイスをもらえます。7年ほど前に胆石の発作で緊急入院したことがあり、その病院では胆嚢を取ることを勧められました。救急病院の医者曰く、“問題はない”ということでしたが、身体の一部です。それを取ることは身体バランスに影響が出ると思ったので、緊急入院先から主治医に相談し、取らずに治療、経過観察してもらうことにしました。その後、発作はありません。
会員制のため、街中の医院よりも費用はかかりますが、健康管理のための必要経費だと思っています。(必要な方にはご紹介します。)
3つ目は「気心のしれたレストラン」です。仕事上、会合、会食の機会が多いと思います。会食は、お招きする方の苦手な食材、アレルギーを確認した上で料理をアレンジいただくのは最低限必要なことです。お相手によってはお出迎えや席順も考慮します。また、その方に何らかのお祝い事があれば、その演出もします。こうしたことを相談し、期待通りにサービスしていただけるレストランをいくつか持っておいた方が良いでしょう。(いろいろ相談する前に、そのレストランの常連になっておくべきであることは言うまでもありません。)
最近はレストランも人手不足の影響で“決められた食事を提供するので手一杯”のところも少なくありません。アレルギー対応もできない、と言われるところもあります。口コミ情報で判断するのではなく、自分で出かけて、そのお店の状況、実力を判断しましょう。
「メンター」「主治医」「気心のしれたレストラン」。トップがトップとして機能するための「三種の神器」とも言えます。もちろん、トップになってからではなく、トップになる前から準備できれば最高です。
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おまけー2:最近、“顏は見覚えがある”が、その名前が出てこない人から挨拶されることが続いています。特に先日の熊本行きの飛行機でお会いした方は誰だったんだろう・・・ うーむ。
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