1021号「身の引き方」」(メールマガジン「人事の目」)

今日のテーマは「身の引き方」です。

経営陣(執行役員から会長まで)はどう身を引くべきか。これ、なかなか難しいテーマです。

世の中的には残念な去り方が目立ちます。例えば、その人が良かれと思って発言することが現場を混乱させたり、不要な説明工数をもたらしたり、オペレーションに負荷をかけることになっている。その人向けの特別な対応をすることが組織的に当たり前になっている。周囲は誰もその方の継続を望んでいないが、過度の忖度からそのメッセージが本人には伝わっていないので自ら降りることがない。亡くなられるまで現職に留まる。いわば、“裸の王様”型。

“自分が会社を引っ張っている”、“この会社が繁栄しているのは自分のおかげだ”。自尊心がいつかしら驕りとなり、“自分は何をやっても許される”とばかりの行動を採るようになる。社内には経費削減と声高に叫びながら、自分は経費を使い放題。社内の大事な予定をすっぽかしたり、社員の尊厳に傷をつけるような言動(パワハラ、セクハラ、モラハラ)をしてしまう。最終的には公益通報などにより、引きずりおろされることになる。これは、“晩節汚し”型。

自分はまだまだやれると思っていたところ、突然“お役御免”となり、その理由も明らかにされない。船から突然降りろと言わるようなもの。納得できず長年貢献してきた会社に対して恨み節で去ることになる。これは“青天の霹靂”型。ちなみに、こういう去り方をして別の会社にいくと権力・権威への執着心が強くなっている(成仏していない)ので、別の会社でも残念な去り方をすることになります。

こうした去り方をしたくないですよね。

アラフィフ、アラカンで特定の組織を去ったとしても、人生まだまだ時間があります。自分の人生ですから、自分でその中身をデザインしましょう。その組織にいかに長くいたとしても、「自分の人生=その会社での仕事」ではありません。自分の可能性を特定の会社の中に閉じ込めてしまうのはもったいないじゃないですか。

任期になったら、“はい、次!”。突然切られたとしても、“はい、次!”です。

自分主語で考えましょう。自分を律しましょう。そのためには自分が周囲からどう見えているのか、これを意識しましょう。ネガティブフィードバックをしてくれる人を近くに置きましょう。これで「裸の王様」にも「晩節汚し」にも陥ることがありません。突然切られるようなことになったら、背中を押してくれた!として喜んで別の可能性を模索しましょう。

自身の成果により、会社が成長したとしても、いつまでもい続けるのは自分の可能性に蓋することになります。“功遂げて身の退くは、天の道なり”(老子「9章」)“はい、次!”でいきましょう。

おまけー1:”トランプ圧勝だね“と言ったら、”神経衰弱のことですか?“と答えた俗世間を超越している人あり。

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