1022号「担当ってなんだ?」(メールマガジン「人事の目」)

今日のテーマは「担当って何だ?」です。

「担当」には、営業担当、人事担当、法務担当といった業務上の役割としての担当や、DX担当、最近では生成AI担当やセクハラ担当(これはセクハラ防止担当だと思いますが)といった組織横断の特定テーマの担当もありますよね。

“担当にすべてお任せ”、にしてはいけません。担当を決めるということは、それが経営上対処すべきテーマであるということ。当然ながら、それは組織全員のテーマなのです。

ちなみに、経営上対処すべきテーマへの取り組みについては以下の3段階があります。

・そのテーマについて問題意識をもつ
・そのテーマの対応策の内容を固める
・対応策を実行する

このうち、「問題意識をもつ」は組織内の全員が担うものです。管理監督者であれば、経営者と同じ目線で仕事をすることが求められていますよね。新人だから関係ない、ということはありません。新人だってその組織の一員であれば、少なくとも関心を持ってもらいたいものです。(そのためには、担当を発令したときには、経営として社内にその背景とねらいをしっかりコミュニケーションする必要があります。)

「対応策の内容を固める」は、まさに担当が「主担当」として担う部分です。

「対応策を実行する」について、その担当が業務上の役割であれば、担当が「主担当」となりますが、それ以外の人が関係ないということはありません。「主担当」の成果が上がるように貢献する責任があります。

組織横断の特定テーマであれば、実行の担い手は全員です。「主担当」が中心になって定めた内容を実践する責任は全員にあるのです。

例えば、経営としてAI活用推進を主要テーマとし、担当を配置したとします。AI担当がいろいろな具体案を創り上げ、経営として実行することにしたならば、その実行責任は組織内の人全員にあります。それを“自分はこの手のことが苦手だから・・・”とか“、”このやり方でずっとやってきてますんで・・・、“として実行に加担しないのは責任放棄です。厳しい評価をつけられても致し方ないことです。

問題なのは、経営幹部が「担当」の意味を正しく理解していないケースです。経営のアジェンダ(取り組みべき重要テーマ)を決めるディスカッションの場に出席していたにも関わらず、そのテーマについての問題意識も持たず、かつやることをやらない。そんな幹部がいた要注意。(というか結構、そういう人がいるように思いますが)これらの幹部が“担当にすべてお任せ”モードの根源であることが少なくありません。

こういう人には「全体最適の視点」がないことをフィードバックして改善を図ってもらいましょう。その昔、組織の上の人は成果だけみればいいという偏った評価制度が横行していましたが、違いますね。上であればあるほど、組織として求める行動様式を問わないといけないと思います。(成果はもちろんですが。)

経営として大事なテーマの担当になることは誇らしいことのはずです。それを”貧乏くじを引く“にしてはいけません。

おまけー1:アメリカ大統領選の結果をみて思うのは、政治に対する期待が“結果を出してくれるなら人格は二の次”になっているということ。日本の政治家間で人格攻撃が横行しているのは、まだまし、ということ?

おまけー2:”セクハラ大魔王“と呼ばれていた人に”セクハラ担当“を命じた会社がありましたが、これは逆効果ではないかと。




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