自分との距離が近い人に、
厳しく接する人がいます。
厳しいというより、
「ぞんざい」という表現の方が近いかもしれません。
外では丁寧。
しかし、部下や身内には口調が荒い。
感謝や配慮を言葉にしない。
指示や命令は増えるが、対話は減る。
背景にあるのは、
「この人は離れない」
「多少雑に扱っても大丈夫」
という無意識の安心感です。
心理的な境界が緩み、
感情の自己制御が弱くなっています。
近い人に感情をぶつける人もいます。
上司や顧客には抑えられる。
しかし、部下や腹心には溢れてしまう。
自分のストレス、不安、怒りを
「安全な相手」に排出している状態です。
一言で言えば、甘え。
受け手からすれば、たまったものではありません。
感情のごみ箱にされてしまいます。
別のケースもあります。
近い人に対して、皮肉、軽視、小馬鹿にする発言をする。
これは、自尊心が不安定な状態です。
近い人を下げることで、
自分のプライドを保っています。
ぞんざいな態度を受け続ける側は、
本当に大変です。
「なんとかしてほしい」
そう思い続けているはずです。
それでも多くの人は辞めません。
「自分がいなくなったら会社が困る」
「ここで投げ出すのは無責任だ」
そんな使命感があります。
また、辞めたい気持ちはあっても、
経済的理由で選択肢が見えない場合もあります。
この状態が長く続くと、よくありません。
心が壊れます。
壊れる前に、心が歪みます。
陰口が増える。
重要な情報を遅らせる。
無関心を装う。
こうした受動的な攻撃が始まります。
さらに、後輩や部下に同じような
ぞんざいな態度をとるようになります。
中には、仕事以外で自分の価値を誇示しようとして、
勤務時間外に別の人格を発動させ、好ましくない遊びに逃げる人もいます。
なんとか定年まで勤め上げても、
退職後、空虚さに耐えられず、
一気に元気を失う人も少なくありません。
頑張って会社に貢献してきた人が、
こんな結末を迎えないために。
必要なのは、無自覚にぞんざいな態度をとっている
上の立場の人に変わってもらうことです。
では、どうするか。
直接的な指摘はお薦めできません。
ほぼ確実に、
「自分は悪くない」
「下がポンコツだからだ」
という強い防衛に入ります。
有効なのは、間接的なアプローチです。
それが経営リスクである
と理解してもらうための、
一般論としてのセッションを行います。
例えば、こんな構造です。
・上が無自覚にぞんざいな態度をとる
・近い人ほど言葉を失う
・不都合な情報が整えられる、消える
・上に入る情報が歪む(裸の王様になる)
・経営判断を誤る/優秀な人材が去る/事故が起きる
「そうならないために、どうすればよいか」
これを自分で考えてもらう流れをつくります。
ただし、気づきの場は提供できても、
強制はできません。
巧みにセッションをこなしても、
内省せず、行動が変わらない人もいます。
その場合、さらに気づかせようとするのはやめましょう。
その人が気づかないのは、
鈍感だからでも、
能力不足だからでもありません。
そういう生き方をしてきた
というだけです。
そのときの選択肢は二つです。
・被害を受ける位置の社員を頻繁に入れ替える
・それでも変わらない/それができないなら、辞める
辞めることは、逃亡でも、敗北でもありません。
自分を守る行為です。
人生の大事な時間を、無駄にしてはいけません。
おまけー1:この話、家族に対して・・・と置き換えてみると、胸が苦しくなる人も少なくないでしょう。
(気を付けましょう。)
おまけー2:「たったひとつの真実見抜く、見た目は子ども、頭脳は大人、その名は名探偵コナン!」
聞いたことありますよね。
逆コナンもあるそうです。「見た目は大人、頭脳は子ども。真実には程遠い!」
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