956号「サイコパスはダイバーシティの対象外」(メールマガジン「人事の目」)

この1週間、明らかにサイコパスと思われる人から派生した問題の対応が続きました。しかも複数。いかに世の中にサイコパス人材が多いことかと改めて思います。(人口の数パーセントいると言われています。)

ネットでサイコパスについて調べてみると、いろいろ書かれていますが、この定義がもっともしっくりきました。

「良心の呵責を覚えず、感情に奥行がないため、他人を思いやることができない。利己的で、自分の利益を優先にする。周囲の人々と長期的に友好な関係を築けず、結果的に集団や社会から排除されることが多い」

一方で企業経営者や弁護士などにもサイコパスが多いと書かれており、著名人の名前もあります。中にはサイコパスとうまく付き合うことで学びがあると書いてあるものもあります。今から考えると明らかにサイコパスだなーという人の高知能さや常軌を逸脱した発想、言動に感銘し、その人から学びたいと私自身が思ったこともありますが、それは間違いだったと今では思っています。

サイコパス人材とは関わらない。これに尽きると思います。

サイコパス人材にその行動を改めてもらいたいと説得したり、良心に訴えたりしても全く無駄です。高度な知能があるので、その場では取り繕いますが、すぐに本性が出ます。普通に考えるとあり得ないくらいの支援をしてきた人を平気でだまします。破綻寸前の会社を資金面で救ってくれた人に対しても平気で嘘をつきます。自分にとって利がないと判断すると、口頭で約束したことについて“聞いていない”というのは当たり前。文章で確認しても、とんでもない解釈で反故にします。

特定領域で極めて優れている人は偏っているものだ、という考えからサイコパス人材を受け入れている経営者がいますが、そのせいで多くのメンバーが疲弊していないか、確認してみてください。サイコパスはダイバーシティの対象ではありません。

その才覚から、業界内での信用が高い、普通は思いつかないような素晴らしい発想がある、営業成果がとてつもなく高いとしても、一緒に働いている仲間たちを痛めつけるようなサイコパスであったなら、そのサイコパス人材を排除しないといけません。それまでいかにその人を高く評価し、支援してきたとしても、サイコパスの負の面が大きくなっているのであれば断固として仲間を守る。それが上の仕事です。

ここまで書いてきて、過去に出会ったサイコパス人材の顔が次々に浮かんできました。多くのケースで、その「光の部分」を評価し、重用したのですが、最終的に大いなるしっぺ返しを受けたことを思い出しました。反省です。

サイコパスになる原因は脳の機能、遺伝、環境要因とあり、よくわかっていないというのが実態のようです。ということは治療法も確立しておりません。変わることとはない、と思った方が良さそうです。

誰もが少なからずサイコパス的要素を持っている人と思います。私自身も身に覚えがあります。みなさんもそうでしょう。ただ、人の痛みがわかるならば、良心の呵責が機能するならば、大丈夫でしょう。


おまけー1:それほど害のないサイコパス事例その1

先日乗車したタクシーの時計が30分進んでいました。
“うわ、遅刻だ!”と焦って自分の時計を見て、そのことに気づきました。
「運転手さん、時計が30分進んでますよ。」
「はい、そうしてるんです。早く帰れますから。」

おまけー2:それほど害のないサイコパス事例その2

飲み会で「ウーロン茶いる?」といって麵つゆを出す人。

 

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