動画でご覧になりたい方はこちらから
人材育成の肝 経験とヒト
人材育成の「70:20:10」の原則。
- 70%が“どんな経験をしたか”
- 20%が“誰と仕事をしたか”
- 10%が“どんな研修を受けたか”
です。
経験に勝る学びなし。人材育成の肝は配置です。どんな仕事を誰とするか。
「70:20:10」の90%もの要素になります。経営者のみなさん、これを考えていない
育成計画は没にしてください。意味がありません。
将来の経営陣を育成することを考えると、どんなに小さい会社であっても「社長」という
肩書で仕事をさせたいですね。自分が最後の砦であるという感覚を得てもらうのです。
サラリーマン集団の中で強烈な当事者意識を醸成したいのであれば、これに勝る手段は
ありません。
また、有事・不安定な仕事環境を経験すること。これを経験していないヒトを大組織の
経営陣(トップマネジメントチームのメンバー)にしてしまうと、“負けない戦略”
中心のチームになってしまいます。
成長カーブを大きく立ち上げる、またはジャンプさせるためには“勝つ戦略”を大胆に
展開しなければなりません。このためには、従来のやり方を壊したり、やったことがない
領域に足を踏み入れることに挑戦せねばなりません。当然、有事です。
もろもろ不安定になります。
ところが有事・不安定を経験していないヒトは無意識のうちに、有事・不安定を避けようと
します。これがリスクをとらない経営、つまりは“負けない戦略”になる大きな要因であると
私は見ています。
配置を考える際にはこれらのポイントを考慮されることをお薦めします。
ところが、社内にそういう場がない、あるいは限定されてしまう。これが健全なグループ
経営をしている会社の実情だと思います。そういう会社の人材育成責任者の方へ。
私がCEOを務めるパスグループで修行の場を提供します。次世代を担う方を私にご推薦ください。
(本気です。)
人材育成研修の在り方
10%の研修。これを考える際に大事なことは、本当の意味で役に立つ研修を企画することです。
良い研修は「良いコンテンツ」「良い講師」「良い仲間」。この3つが揃って初めて成立
します。特に最後の「良い仲間」は重要です。研修に嫌々参加したり、隙あらば逃亡したい
と思っていたり、ただその場にいるだけ・・・、こういう人間が混ざっていると研修の
空気がよどみ、精度が落ちます。
私はこの点から全員対象の集合研修。これは「新入社員研修」と「組織開発目的」を除き、
止めた方がいいと思っています。以下、止めた方がいい研修の基準です。
- 参加要件を問われていない(入社年次や等級、肩書などの属性要件だけ)
- 受けたからといって何かが変わるわけではない
ISOやコンプライアンスなどの要請からインプット研修が必要なことはわかります。
それらは集合型にせず、すべてe-learningするのが良いと思います。(効果測定もできますし)
集合型は、意欲あるメンバーを厳選して濃密なものにすべきです。
その際の人数は12名~15名が適切。最大でも30名でしょう。あるいはカフェテリア方式にして、
本人の意思で受けさせるべきです。
こうした思想なしに研修をたくさん企画して実行してはいけません。“研修は与えられるもの”
という間違った認識が社員に植え付けられ、結果的に指示待ち人間を大量に育成することに
なります。
以前、ヒトを育成するのは「飢餓感:なんとしても成長したいと願う強い気持ち」と
「屈辱感:このままではいられないという反骨精神」であると書きました。研修をたくさん
用意していると、会社として人材育成に手厚いと見えますが、実際には“使える人材”が
輩出されにくい環境をつくってしまうことになることを要注意です。
おまけ
おまけー1:夏の間、暑さを言い訳に朝のトレーニングをさぼっていたら、“夏太り”して
しまいました! これはいかん、と朝の30分のトレーニングを再開しました。朝から汗だくだくに
なりますが、一日快調です。責任ある仕事をするには、自分の健康管理は最重要課題。
(メタボはいかん)
おまけー2:先月からジヴァスタジオとマードゥレクスという「美と健康」をモチーフにした
会社の会長もやっています。主要ブランドは「エクスボーテ」です。
商品研修を受け始めましたが、非常にいいと思いました。真面目に研究している商品ばかりです。
短時間で簡単に“仕上がり”ます。 ぜひ、お試しください!
http://madrex.com/promotion/2015/cc_aw/
それにしても、女性はお化粧品にお金がかかりますね。新入社員の初任給ですが、
女性社員にお化粧を強いるのであれば、女性の金額を1万円くらい高くしないと
フェアじゃないと思いました。
おまけー3:「民王」見てますか。金曜の夜11時15分~。おもしろいですよ。
http://www.tv-asahi.co.jp/tamiou/
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
関連するIndigo Blueのサービス
記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。