年末までは50%の出勤とする。出勤とリモートワークの割合を半々にして感染症予防を
図る。時差出勤で通勤による「密」を避ける。緊急事態宣言が解除された後の働き方に
ついて、こんな方針を検討している会社が多そうです。
何度も書いていますが、これからはリモア(リモートアクセス)が普通になりますね。
全員が同じ場所に出勤して一緒に仕事をするという大前提が変わります。組織のあり方、
働き方、コミュニケーション、上司と部下の関係など、あらゆることを“リモアあり
環境”に適応させていく必要があります。特別な事情でリモアになっている人への
対処ではありません。リモア当たり前への全体適応です。
その中で組織のあり方について。組織といえばピラミッド型でつくっているところが
ほとんどです。社長、本部、部、課と組織の箱があり、それぞれに管理職が配置され、
最少単位の課にメンバーが配置されているというものです。管理職が複数の箱を
兼務することはありますが、メンバーにはほぼありません。所属部署という概念が
しっかりしています。
私はこの所属部署という概念が緩やかになるだろうとみています。
スラッシュワーカーという言葉があります。スラッシュとは「/」のことです。もともとは
複数の会社の仕事についているフリーランスの人を指す言葉でしたが、本業、副業という
概念ではなく、複数の会社すべて“本業”マインドで仕事をする人のことを意味する
ようになりました。私はこの社内版である「社内スラッシュワーカー」が相当数
でてくるとみています。
指示、依頼を的確に解釈し、想定以上のアウトプットを出せる人がいる一方、
なんども確認を要し、結果として想定以下のアウトプットしか出せない人がいます。
一つのアウトプットづくりにかけている時間は“デキる人”の方が圧倒的に少ない。
“そうでない人”に仕事をお願いしていると時間と労力(+ストレス)がかかります。
近くに置いて事細かく指導しないとアウトプットがでません。“デキる人”に仕事を
お願いした方がいいのは明らかです。
リモアの世界では“仕事がデキる人”が従来よりも目立つようになります。
緊急避難的なリモア環境の中でメチャメチャ忙しくなった人と、ほぼ失業状態の人が
いると思います。これは自然な流れです。経営者としては、この“デキる人”を一つの
部署に閉じ込めておくのではなく、社内で共有した方がいいと考えるのは当然です。
社内スラッシュワーカー誕生です。
全社員の5%が社内スラッシュワーカーになると、この人たちは少なくとも普通の人の
3倍のアウトプットを出すでしょうから、社内失業する人が相当でます。100名の組織で
5名を社内スラッシュワーカーにしたとします。この人たちが3倍働くと15人分の仕事を
することになります。そうなると、元来100人分の仕事があったと仮定すると、
残りは85名でいいことになります。この時点で95マイナス85の10名が社内失業する、
という算段になります。
ちなみに社内スラッシュワーカーとして活躍できる人の要件を整理してみました。
「相手が言わんとすることを的確に理解する力(インプット))
「それを実現化する力(スループット)」
「それを可視化する力(アウトプット)」。この3つのスキル的要素に加えて
「当事者意識」と「向上心」、この「心のもちよう」を備えている人です。
こういう人が増えていくと組織の生産性は劇的に高まるはずです。これを邪魔するのは
管理職による「囲い込み」。それを回避する方法は一つです。「スラッシュワーカー」を
制度化し、対象者から所属部署から解き放つのです。
おまけー1:ずっとZoom会議をしているとなぜかお腹が空きます。ちょいちょい食べてしまいます。
マズいと思い運動するとまたお腹が減ります。この無限地獄。
おまけー2:自宅近くで、すさまじく大量に毛虫が発生しました。昔からひらひら飛ぶ蛾に
先人の魂が宿ると言われていますが、あの量の蛾に魂が宿って発生するとなると、
霊とは言えさすがに三密です。
おまけー3:いよいよ来週はリモートOTを3回実施。本格的に提供できる体制が整いました!
https://indigoblue.co.jp/rot/
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