コロナ禍で変わる、これからの学びの様式(「人事の目」822号)

変わる「学びの様式」

あけましておめでとうございます。

2020年はというと「なんなんだよ、2020年。」 ネット上で誰かが投稿していました。確かにそういう1年でしたね。一方で古い常識に風穴が開いた年でもありました。今年はその風穴から新しい様式が生まれる年でありますように。

昨年、尊敬する某大学の副学長とエキサイティングな議論をしました。

  • クリック一つで世界中どこの大学の授業でも受講するできるようになった
  • 例えば、上智大で経済学を学びながら、デジハリ大のデジタルコミュニケーション論、Babson大学の経営学を学べる
  • 大学間の授業の「等価性」を調整する係数の設定、大学間での授業料の調整ができれば実現する
  • 大学側の閉鎖的な意識が障害になるが、意欲ある学生にしてみると“どの大学のどの授業も受講できる”方がいいに決まっている
  • 時間はかかるかもしれないが、この流れは止められないだろう
  • 同時に「大学なるもの」の存在意義を再考するきっかけになる


とてもいいと思います。つまらない授業は淘汰されるでしょう。そもそも人口減少の中、大学が供給過多なので、その整理統合も誘引します。

大学の学びを、実社会に接合させるために

学び更にいいのは、これにより大学が現在の「入口管理」から「出口管理」に変わると思うからです。

大学は入学することに意義があるのではなく、そこで“何を学び、何ができるようになった”が問われるべきだと思っています。各大学学部が定める一定の基準をクリアしないことには卒業できない、つまり「出口管理」にしてはどうかと考えています。一方で入学要件は緩和します。学費を払い、かつ大学が定める規律を犯さないことを誓約すれば誰でも入学できるようにします。

「出口管理」により、大学卒業時に「何ができる」かが明確になり、大学が社会と接合します。今は社会で活躍してもらうためには、大学で学んだことはさておき会社で一から鍛える「非接合状況」です。これをなんとかしたいと思っていました。

特定の大学に入ることを目的とした“お受験”を長くやってしまうと、その大学に入学できた時点で“ゴール”になってしまい、その後のモチベーション維持が難しくなってしまいます。また、受験による入口管理が厳格であればあるほど、社会人が学びの場として大学に通うことが難しくなっています。(せいぜい、社会人のための・・という限定規模の講座に行けるくらいです。)

わが国もいい加減に「入口管理」から「出口管理」に変えるべきだと思っています。(そうすれば入学時期をめぐる論争は一気に意味がなくなります。いつ入ってもいいということになりますので。)

同じ文脈で、会社で働くビジネスマンを対象に“何ができるか”を認証できないかと思っています。これまでもビジネス検定的なものは多々ありました。過去に設問づくりで協力したこともあります。ただ、いずれも「知識」の検定で、アウトプットの評定ではありません。仕事は他者との関係性の中で進めるものです。そこを評定しませんと“できる”かどうかの判定はできないと思います。

3年前に開発したビジネスゲートというプログラムがあります。役者を活用したOTプログラムの派生形です。これを活用して認証サービスを提供できないかと企てております。

https://indigoblue.co.jp/pickup/businessxgates/

ということで、2021年もいろいろ発信したり、開発していく所存です。

本年もよろしくお願いします。

 

執筆

Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。

 

 

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