ヒトが”育つ”環境要件
今日のテーマは「ヒトが育つ組織」の条件について。「育てる」ではなく、あくまでも「育つ」です。
『You can lead a horse to the water, but you can’t make him drink』(馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない)成長するかどうかは、あくまでも本人次第。周囲ができることは「その人が育つ」環境を整えるまでだと思うのです。ただし、その環境こそ極めて重要だと思っています。
会社のビジョンが明確であること。これを「ヒトが育つ組織」の要素として挙げる方が多いのですが、私はこれに違和感があります。
ビジョンはそこで働いている理由です。その道で活躍したい人材に選ばれる、ビジョンの明確さは、このためにとても重要ですが、個の成長に直接影響を与えるものではない、と私は考えます。ビジョンは共鳴するもの。その実現に向けて頑張ることで成長するという文脈はちょっと“洗脳”ぽくて、私は好きではありません。個の成長はあくまでも個の主体性によるものだと思うのです。本人に“その気(もっとデキるようになりたい、もっと知りたい、もっといい仕事をしたい、もっと追求したい・・・)”が生まれること。これが原点だと思うのです。
さて、“ヒトが育つ組織”。その要件について、某所で議論したところ、こんなコメントが出てきました。
- 「失敗を許容する風土がある」
- 「チャレンジや独創を奨励している」
- 「言い出しっぺがバカをみない(言わせた上で批判しない)」
- 「おせっかい風土」
- 「上が若い人に自信を与える発言をする」
- 「組織内に前向きの発言が多い」
- 「トップが楽観主義である(脳天気ということではない)」
これが全てとは思いませんが、こういう組織では「個」が何かに挑戦しやすいと思います。何かに挑戦することで、本人の“その気”が満たされ、その経験により成長が期待できる。確かにヒトが育ちそうです。
ヒトが”やる気を出す”要因
問題はその前。いかに“その気”を発動させるか。これらの風土的要因は、本人の“その気”を満たし、拡大させる、いわばイネイブラー的要素です。どんなことがあれば、“その気”が芽生えるでしょうか。
わたしは「ヒトからの刺激」だと思っています。“カッコイイ!”、“あんな人になりたい”、“”悔しい“、”このままではいけない“、”自分ももっと勉強しなければ・・・”。こうした刺激を与えるヒトがその組織の中にいるかどうか。それが本人の“その気”を発芽させるのではないかと考えます。
大きな仕事のアサインメント。これも“その気”に火をつける要因だと思います。昔から”役が人をつくる“と言われています。ただこれ役職ではなく「大きな仕事」ですね。肩書はあってもやることがやれないのでは火がつくどころか、精神的に追い込まれるだけですから。
“ヒトが育つ組織”の条件。もう少し探索してみたいと思っています。「朝学の会」でも議論します。
おまけ
おまけ―1:「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」が支援を求めています。
これまでも何度かこのメルマガでご紹介してきましたが、視覚障碍者のアテンドにより、純度100%の暗闇(視角を失った世界)を体験できる日本で唯一の場所です。コミュニケーションのあり方を再考できる場所として、私が企画するプログラムでも何度も活用させていただきました。
みなさまのお力添えをお願いいたします。
https://camp-fire.jp/projects/view/375163?list=watched
おまけー2:横浜で「ハンバーガー・ラーメン」という看板を見つけました。ラーメンはなんでもあり。時間があったら体験するところでした。
おまけー3:品川駅の「崎陽軒のシューマイ弁当」が売り切ればかり。ロケ弁とかで大量に買っている輩がいるに違いないと思っています。2度食べ損ねたので次回こそ!と思っています。(ン?これマーケティング戦略か?)
とに気づきました・・・
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
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