862号「人脈」(メールマガジン「人事の目」より)

今日のテーマは「人脈」です。

ビジネスマンにとって「人脈は大切だ」と言われています。人脈づくりを指南する書籍も結構あります。人脈づくりをうたっている異業種交流会もあります。ただ、私はこの“人脈をつくる”という表現に違和感があります。人脈は意図してつくるものではなく、結果としてできるものだと思っているからです。

きっかけが仕事であったとしても、その仕事の関係がなくなっても交流を続けたい。何かあったときに相談したい、力になりたい。そういう関係性になってこその”人脈“だと思います。そこにあるのは相互の信頼関係です。この人は自分を裏切らない。期待に応えてくれる。お互いにそう思っているから、たとえ暫く会っていなくても電話一本やメール、SNSですぐに連絡がとれる。そういう人が自分にとっての人脈だと思うのです。

お中元やお歳暮という習慣があります。恥ずかしながら、この本質的な意味をずっと理解していませんでした。若い頃は、こんな儀礼的な行為は止めた方がいいとさえ思っていました。百貨店の宣伝文句みたいですが、“お世話になった人に何か贈りたい”という自然な気持ちを表現するもの。それがお中元であり、お歳暮ですよね。

ふと湧き起こる、あの人に御礼したい、という気持ちの表現。それが贈答品だと思うのです。そういう気持ちなく、ただ贈るだけだから儀礼になるのです。違いますよね。

会食もそうです。会食というと、そこに営業、依頼などの何らかの目的があるものが一般的かもしれません。そうではない会食。会って話をすることが目的のものもあります。定期的にそういう会食をする相手はあなたにとっての人脈の一人でしょう。

もちろん、贈り物や会食をするから関係性が良くなる、ということではありません。Give & Takeではありません。Give & Givenです。GiveするからGivenされる。相手のことを想う。まずはここから。こうした関係を重ねることで結果として、その相手があなたの人脈となる。この順番だと思うのです。

ここまで書いてきて一人思い出しました。私がマーサー社長時代にたいへんお世話になった西田政之さんです。西田さんはマーサー卒業後、ライフネット生命の副社長を経て、現在はカインズのCHROを務めています。その西田さんが紹介されているYoutubeがありますのでご紹介します。マーサー時代の思い出として柴田のことも話してくれています。

https://www.youtube.com/watch?v=pDlnn_BKZlg 「CXOの履歴書」

彼が困ったときに駆けつけようという思う人はたくさんいると思います。私もその一人ですが。

人脈と言える人たちは自分にとっての「資産」ですね。人生で最も大事な資産かもしれません。


おまけー1:10月23日(土)の14時から「難民人材で組織力向上!?難民人材が活躍する企業2社の特別対談」というイベントがあります。難民支援しているNPO法人WELgee主催です。

名古屋入管・スリランカ人死亡事件はショッキングでした。難民という社会問題に対して、企業として個人としてやれることはたくさんあります。ヤマハ発動機さん、Nentrysさんの事例紹介もあるようです。まずは何ができそうか、これを考えるきっかけとなるイベントだと思います。

https://www.welgee.jp/news/news-91

おまけー2:ストレッチと筋トレを真面目にやると結構キツイですね。ただ、「ごおー、ろく、はい、そのまま伸ばして・・・、さーん、しー」と戻るのは止めてほしい。

おまけー3:10月7日の震度5強はびっくりでしたね。緊急事態宣言が明けて、飲み会をやっていたところに地震に遭遇という人も少なくなかったようですね。あの駅やタクシー待ちの列。来週あたりの新規感染者数が心配です。

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