ファッションの本質は自己表現である
ファッションは自己表現の手段。この本質的な意味をやっと理解できました。
私がモデレーターを務める議論の場にファッション雑誌WWDJAPAN編集長の村上要さんらファション業界の方にご参加いただきました。
”ファッションは自己表現“、その通りでしょう、と頷いてはいましたが、実のところ、こんな風に思っていました。ファッションとは高級ブランドものを身に着けること、おしゃれをすること(服装や化粧など身なりを洗練したものにしようと気を配ること)、はたまた奇抜ないでたちで注目を集めること・・・。悪い言い方をすると”チャラチャラしている“、否定はしないけれど自分とは縁遠いもの、とすら思っていました。
違いました。高級ブランドものを身に着けることも、奇抜ないでたちも、単なる自己表現の一つなのです。何を今さら、と思われる方もいるでしょう。ただ、私同様に誤解している昭和のビジネスパーソンも少なくないと思います。
ということで、ファッションの本質を正しく理解し行動を起こす。今日はこれがテーマです。
“自分のやりたいことがわからない”、人間関係においても、“相手に合わせているだけで楽しくない”・・・。これが若い人から高齢者まで多くの人達のアイデンティティや自信の喪失につながっているように思えます。(先週のテーマの「老害」も、“自信のなさ”からきていると書きました。)大問題だと思っています。
ファッションでの自己表現トレーニングが、”やりたいこと”につながる
“やりたいことがわからない”症候群、この原因は社会風土にあると思います。小さいころから、“あれしろ、これしろ”、こうじゃないといけない”、“それはダメ”、“同じ制服を着ろ”、等々、自分を表現することを抑えられて育ちます。社会に出てもそれは変わりません。リクルートスーツを着ろ、ネクタイしめろ、企業理念を乱れず唱和せよ、上の指示を守れ、空気を読めと指導されます。なにやら個々が自分の想いや考えを表現しないようにする圧力があるように思えてなりません。
親も学校も会社も「個」を大事にしたいと思っているはずです。ただ、当たり前にやっていることが逆効果になっていると思います。このままでは、“やるべきことはわかっているが、やりたいことがわからない”予備軍がどんどん生まれてきてしまいます。ファッションの力を正しく理解し、実践してみませんか。高い服である必要は全くなし。もちろん、高い服でもいい。値段やブランドが問題ではありません。
今日何を着るか。気持ちを上げたいならこれ。大人しくしていたいならこれ。優秀そうにみせたいならこれ・・・。こんな風に自分を服で表現してみることから始めてみませんか。「それいいね!」と言われれば自信につながります。「なにそれ」と言われたら、“知らんがな”と返しておきましょう。ネガティブコメントも前向きと捉えて、次はちょっと違うアレンジにしてみましょう。ここに、自分の意思によるトライ&エラーが生まれます。
ファッションは自分が何をしたいかを実現する簡便な手段です。ファッションを通じて、自己表現のトレーニングをするのです。学校、会社で実践してはいかがでしょうか。まずは制服や服装規程の廃止から。(作業上必要であったり、私服が汚れないための制服着用は合理性があります。ただ、そこにアクセントをつけることや、色の選択は自由としてはどうでしょう。)規程で縛るのは逆効果です。
自分の意思で着るものを決める。こんな単純なことが自分のやりたいことを表現する第一歩になります。
ということで今日私はTシャツ、パンツをオレンジにしました。(雨模様の鬱屈さを吹っ飛ばす!)
おまけ
おまけー1:WWDJapanのサイトです。
https://www.wwdjapan.com/
おまけー2:疲労回復を期して某サウナへ。あかすりを終えて浴場に戻ったら、全員彫り物の方々でした。(どっきりカメラか)
おまけー3:ミュージックステーションの特番でミスチル特集をみました。「くるみ」が人気第10位に入っていただのが嬉しい。あれは名曲です。
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
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