939号「100ひく1はゼロ」(メールマガジン「人事の目」)

先週に続き「引っ越し」エピソードです。大手の引っ越し業者から転身した人たちが作った会社で“なかなかいい”とおまけに書きました。なんといっても運送担当者たちの手際がいい。他の業者さんだったら、おそらく4時くらいまでかかるものを2時には終了。3時から別の現場が入っているのこと。とにかく早い。翌日に段ボール回収に来た女子もシーハルクなみのパワーであっという間に回収完了。

それで話が終わらないのが人生そのもの。“エプロンさん”と言われる梱包、開梱サービスが過去最低でした。正確には一人の60代後半または70代の“エプロンさん”のおかげで過去最低に。他のエプロンさんたちは全く問題なく、梱包時にヘルプで入った若い女性たちはむしろ最高でした。

「100ひく1はゼロ」。帝国ホテル元社長・犬丸一郎さんの言葉です。そうなのです。たった一人であっても、その人のクオリティがマイナスだと全体がゼロになってしまのです。

その「マイナス1」のエプロンさんがやらかしたことと言えば、

・エアのプチプチではなく、ただの紙でくるんだため美術工芸品が3つ破損(超悲しい)
・脈絡なく開梱したため、どこに何があるかわからなくなった(いまだに見つからないものあり)
・収納にただ突っ込んだため、奧に何が入っているかわからなくなった(すべてやり直し)

“エプロンさん”のリーダー格の人のその人に対する指示も“ちゃんとやって”から“何もしないで”に変わる始末。
とにかくひどい“エプロンさん”でした。

さすがに美術工芸品が破損したので本社からは金銭解決のオファーがあったのですが、お金をもらってもその工芸品は戻りません。私からは「あのエプロンさんを現場に出さないこと」をお願いしました。いまのままだと間違いなく第二第三の被害が発生します。

その問題エプロンさんも悪気があるわけではありません。梱包、開梱のShould do/Should not doがわかっていないのです。スキルも伴っていません。当然、研修は受けていると思うのですが、習得していないのです。そういう人を現場に出してはいけません。

企業や団体の中にも高齢者で“使えない”という評価の人がいると思います。このエプロンさん同様に悪気はないのです。仕事ができないのでむしろ邪魔という扱いになっていると思います。さすがにそういう扱いなので毎日楽しくないはずです。ビジネスマン人生の晩年をそういう想いで過ごすのは辛すぎます。

これは。学ぶ楽しさをいつの日から忘れてしまったこと、ポータブルスキルが身についていないこと、この2つによります。それがどんなに高度なことであったとしても、目の前の仕事をこなすだけの人生を繰り返していると、学ぶ機会がありません。大手企業に勤めていようが、偏差値の高い高校、大学を卒業していたとしも関係ありません。「マイナス1」の人になります。

2021年の4月からアラフォー(当初はアラフィフと言っていました)以上を対象とした「ポータブルスキルと心のもちよう」の学びの場、PHAZEリカレントをやっています。先週第8期が修了。受講生も150名を超えました。このプログラムの特徴はプログラムを終えたあとも受講者のコミュニティが継続していることです。世話人として運営協力してくれている人もたくさん出ています。企画者の期待をはるかに超えたサードプレイスになっています。

PHAZEリカレントの9期が5月17日に開講予定です。自分の学ぶ意欲を再燃させたい方、ポータブルスキルの磨き直しをしたい方のご参加をお待ちしています。


おまけー1:PHAZEリカレント9期の説明会日程です。
https://phaze.jp/recurrent/isession/

おまけー2:新居近くのカフェで「テイクアウトでホットのカフェラテをお願いします。」と私。
研修中というバッチをつけた若い女性が「喜んで!」(他のスタッフが一斉にこっち向く)

 

 

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