972号「ChatGPT時代だからこそ」(メールマガジン「人事の目」)

哲学者の黒崎政男先生から「ChatGPTが“嘘つき”になる理由」についてお聞きする機会がありました。

人間は目の前の事態や自分の意思を言葉に展開するので、そこに不一致があると“間違い”とか“嘘”ということになりますが、ChatGPTは単語の統計的確率的結合の流れなので、そもそも正しいとか誤っているとかいう次元にはないとのこと。とても面白いお話でした。

(詳しくはこちら:「ChatGPTが「ウソつき」になる本当の理由」)
https://gendai.media/articles/-/113261?page=5

ChatGPTの精度が非常に高いので、とんでもない回答を目にすると“なんで?”と思いますが、その道理を考えると致し方ないことだと思います。

今後ChatGPTの精度はさらに高まるでしょう。”嘘“も激減するでしょう。ただし、統計的確率的結合である以上、脈絡のない発想は生まれません。未来予測的なことを尋ねたとしても、やはり統計的確率的に低いものは表示されません。そうなると、存在するものの掛け合わせやニーズがあるものについては人間が考える以上の発明案は得られますが、脈絡がない発想からの発明はChatGPTにはできないだろうと思うのです。

この“脈絡がない発想”は人間ならではのものです。その脈絡のなさは個々に異なります。何らかの刺激を受けたときに、これまで見聞きしてきたこと、その時々の感情の記憶など無意識下のものが働き、他の人からすると“脈絡がない”発想が生まれるのだと私は考えます。だからこそ極めてユニーク、統計的確率的には極めて低い、その人以外ではでてこない発想になるのだと思います。

この人間ならではの“脈絡がない(ように他人からは見える)発想”の豊さを失わない。AI時代になるからこそ必要なことだと思うのです。

われわれは気づかないうちに「視野狭窄」になっています。会社員として自社の仕事ばかりしているとそれ以外の情報、人脈が激減します。個人的にも検索をすればするほど関心があると思われる分野の情報に触れることになります。表層的な脈絡に支配されてしまうのです。

ここから脱することを意識的にやりましょう。自社の仕事以外の人とのつながりを持つ。自分ではまず選ばない本を読む、やったことないことにチャレンジする、行ったことがない場所へ行く。これらの刺激が感性を覚醒させ、それが脈絡のない発想への小路をつくることにつながると信じています。

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この脈絡がない発想への小路をつくっていくことで直感も鍛えられると思います。人は直感で判断し、その後、それを他者に説明するためにロジックを形成していると思います。直感が働かないと決めるべきときに決められなくなります。直感は経験してきたありとあらゆることの相乗力で生まれるものだと思います。脈絡のない発想が生まれるメカニズムと似ています。この相乗力を発動させるための刺激。これを意識的に自分に課していきましょう。


おまけー1:Facebookに掲載されたいんちき広告に引っかかって以来、怪しい広告が頻出するようになりました。(もう、騙されないぞ)

おまけー2:イスラエル大使館前のデモが続いています。最近では“人が集まる”ことに着目した輩やバリトン歌手も登場。カオスです。

おまけー3:タクシーに乗るたびに郷ひろみの映像が出るので、郷ひろみのコンサートに行ってみることにしました。

 

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