971号「勉強する<学ぶ」(メールマガジン「人事の目」)

ソフィアバンクでご一緒しているサッカー元日本代表監督の岡田武史さんが学園長を務めるFC今治高校里山校が2024年4月に開講します。岡田さんが学園長ですが、サッカー人材の育成ではありません。

ロールモデルがない中でも、主体性を持って困難に立ち向かい、次の時代を切り拓く世界の歴史を動かすキャプテンシップを持ったリーダー育成を目指す高校です。カリキュラムや講師陣の顔ぶれから、(もし自分が中学生なら)“行ってみたい”学校だと思いました。興味を持ちそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひご案内ください。
https://fcimabari-ed.jp/

さて、今日のテーマは「勉強する」と「学ぶ」です。

私の中でのイメージが違います。「勉強する」というと、入試や資格試験に合格するためなど、なんらかの目的のために、頑張ってやるというイメージ。「学ぶ」には自発的に自分のためにやるというイメージがあります。

「学んでいる」ときには“頑張っている”という意識はないと思います。無意識に没頭していると思います。この“没頭する”という感覚を社会に出る前に得ておく。これが大事です。対象は何でもいいのです。数学に没頭する、音楽に没頭する、スポーツに没頭する・・・。この体験があると社会に出てからも没頭スイッチが入りやすくなると思うのです。

脳科学者によると没頭は良いことばかりです。ドーパミンの分泌が活性化され、学習能力や仕事能率のアップが期待できるそうです。 ほかにも、達成感、快感、喜び、感動などがもたらされるとあります。没頭体験があると、やる気スイッチと集中スイッチが入りやすくなります。好循環です。

没頭できる何かにどこで出会えるか。私は「学校」だと思っています。ただし、何かに出会える「学びの場」を提供できる学校とそうでない学校との差が顕在化しつつあるのが現実です。FC今治高校里山校のように、学園側がビジョンを描き、その実現に向けて具体的に動ける私学と、決められた枠組みの中で予算もなく教員の個人的な努力頼みでやっている公立とでは明らかに差が生まれてしまいます。

小学生の98%、中学生の90%超、高校生の66%が公立学校に通っています。行政府の予算配分として「公立学校の魅力を高めるための」への予算配分を“異次元”に増やすべきだと思っています。

少子高齢化対策や貧困、いじめや虐待など、普通に学ぶことができない”こどもの環境を改善するいわば扶助的な対策はこども家庭庁の発足もあり、今後整ってくるだろうと期待しています。ただ、これだけで終わりにせず、“普通に学んでいる”こどもの環境を改善することにも注力すべきと思います。

このまま現状が変わらないと、問題意識があり、経済的に余裕がある家庭は私学やインターナショナルスクールや海外の学校を選び、ますます経済格差が教育格差を生むことになってしまいます。とてもとても問題意識があります。

何かの助けになればと思い、18年ほど前から全国の校長、副校長、教頭向けの講演を続けています。昨年からは生徒向けの特別授業もやっています。11月10日に兵庫県の高等学校の全校生徒向けに特別講義をしました。2024年も生徒向けの講義をやりますよー。リクエストありましたらお知らせください。(先着1校ですが。)


おまけ: PHAZEリカレントはアラフォー以上の学びの場です。11期が来年1月18日(木)開講です。その説明会を始めます。アラフォーのみなさん、来年こそ学び直しを!
https://phaze.jp/recurrent/isession/

 

記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。

 

メルマガ登録(無料)はこちら

 

 

関連記事


TOP
TOP