テレワークの導入により、多くの企業で人材育成のハードルが上がったという声が聞かれています。
「オンライン研修は、リアルの集合研修より効果が薄れるのではないか」
「特に管理職クラスの研修をオンラインで実施するのは難しい」
このようにお考えの企業が多いようです。
確かにオンライン研修は集中力が途切れやすかったり、講師や受講生の熱量が伝わりづらかったりと、デメリットがあります。一方で、適切なコンテンツ・受講環境を整えれば、十分な学習効果を発揮します。
この記事では、管理職向けにおすすめのオンライン研修5選と、管理職研修を選ぶ際のコツ、オンライン研修ならではのメリットをご紹介します。
自社の管理職研修選びの参考にしてください。
Contents
管理職向けのおすすめオンライン研修ランキング 5選
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、大手研修会社などが次々とオンライン対応の研修を提供しています。
オンライン研修は、大きく分けて2種類存在します。
- 体験型学習:ワークショップやケーススタディが中心のアウトプット型研修
- e-ラーニング:知識やノウハウを得るためのインプット型研修
自社のニーズに合わせて、適切な研修を選ぶことが大切です。
今回は、数ある管理職向けオンライン研修の中でもおすすめを5つご紹介します。
1.異業種で高め合う実践的な体験型研修|Indigo Blue「異業種リーダー共創塾」
株式会社Indigo Blueが提供する「異業種リーダー共創塾」は、複数企業のリーダーやリーダー候補者が学び合う、3日間のオンライン研修です。
オンラインでありながら、プログラムの80%が体験型のワークショップで構成され、受講者が自身の中に「リーダーとしてのあるべき姿」を醸成していく内容になっています。
研修内容 | ・リーダーシップ講義 |
特長 | ・14名限定のリーダー向け研修 |
費用 | 275,000円/人(税込) |
30前後~50代と幅広い年代の受講生が参加し、リーダーとしての自分の強みや弱み、開発領域を自覚・強化できるプログラムです。
個人での参加のほか、管理職研修としての企業派遣も可能。大手メーカーやIT企業、地方公共団体など、多様なバックグラウンドを持つ受講生がオンラインで学びを深めています。
知識をインプットするだけの研修では物足りない、リーダーとしての実践力を鍛えたいという企業におすすめです。
2.経営の基礎力を学ぶ|グロービス「eMBA2.0」
(出典:株式会社グロービス 公式サイト)
株式会社グロービスが提供する「eMBA2.0」は、経営学の基礎を学べるe-ラーニングです。
ただ動画を視聴して知識をインプットするだけでなく、仮想の企業のシチュエーションを用いて実践的に学びを深める工夫がなされています。
研修内容 | ・クリティカル・シンキング |
特長 | ・国内最大規模のMBAスクールで培ったノウハウを提供 |
費用 | 1科目あたり 24,750円人 (法人価格) |
初心者でも取り組みやすい内容となっており、年間5,000人を超える受講生がeMBA2.0で経営学を学んでいます。
3.組織・業務・人の3つのマネジメントを学ぶ|インソース「管理職向け研修」
(出典:株式会社インソース 公式サイト)
株式会社インソースが提供する「管理職向け研修~マネージャーとしての課題を整理する」は、課長クラス向けのオンライン研修です。
「組織・業務・人」に関するマネジメントを網羅的に学び、上司・部下のそれぞれの視点から、管理職として求められるものを学びます。
研修内容 | ・管理職に求められるマネジメントとは |
特長 | ・1日の研修で完結 |
費用 | 30,500円/人 (会員価格:28,500円/人) |
研修講師への評価が95.9%と高く、満足度の高いオンライン研修といえます。
4.新任管理職におすすめ|Schoo for Business
(出典:株式会社Schoo 公式サイト)
株式会社Schooが提供する「Schoo for Business」の管理職研修は、新任管理職が身に着けるべきマネジメントの基礎を学べるオンライン研修です。
リモート環境下におけるマネジメントスキルなど、時代に応じた最新のスキルを学習できます。
研修内容 | ・管理職基礎スキル |
特長 | ・多様な研修動画からニーズに合わせて受講 |
費用 | ・月額1,500円/人 |
多様な研修動画から必要なスキルを自発的に学べる動画研修です。
5.管理職への意識転換プログラム|アルー「管理職研修」
(出典:アルー株式会社「管理職研修サービス」)
株式会社アルーが提供する「管理職研修サービス」では、新任管理職から課長・部長クラス研修、女性管理者向け研修など、幅広い管理職に向けた研修プログラムを提供しています。
階層ごとに必要な意識転換を促すプログラムが設計されており、ニューノーマル世代の管理職が内発的動機に基づいて変容していくきっかけとなります。
研修内容 | ・自己変容 |
特長 | ・VUCA時代に変化に適応する力を養う |
費用 | ・プログラムにより異なる |
マネジメントスキルの習得だけでなく、プレイヤーから管理者への意識変容を重視したい企業におすすめの研修です。
管理職研修選びの3つのポイント
次に、管理職研修を選ぶ際のポイントを紹介します。
多くの管理職は、日々の業務に追われ、時間のない中で研修に参加します。しっかりと成長実感を得られる研修とするために、以下3点に着目してください。
- コンテンツの内容が充実していること
- 士気の高い仲間と学び合えること
- アウトプット/実践の機会が充実していること
それぞれ詳しく解説します。
ポイント1|コンテンツの内容が充実していること
管理職が身に着けるべき力 には、以下のようなスキルがあります。
必要なスキル | 具体的な構成要素 |
1.経営総合力 | ・戦略的思考力 |
2. リーダーシップ | ・メンバーマネジメント力 |
3. 論理的思考力 | ・分析力 |
4. 推進/遂行力 | ・計画性 |
5. 法令順守 | ・ガバナンス管理の理解 |
自社の管理職に期待する要素や課題などを洗い出し、ニーズに合った研修を選んでください。
ポイント2|士気の高い仲間と学び合えること
研修の良し悪しを決める大きな要素は、受講生の質です。研修の受講生は4つのタイプに分けられます。
- 自燃型:成長意欲が高く、積極的に学びを吸収する
- 他燃型:他者の熱量に影響されて自らも積極的に学ぶ
- 不燃型:参加意欲が低く、自ら積極的には学ばない
- 消火型:参加意欲が低いばかりか、他者の意欲も下げる言動をする
「消火型」の受講生がいるだけで研修そのものの質が大きく低下してしまいます。
研修を自社開催する場合は、参加を手上げ式にするなど、成長意欲が高いメンバーで実施できるよう工夫しましょう。
外部研修を導入する際は、複数企業から選抜されたメンバーが参加している質の高い研修を選んでください。
ポイント3|アウトプット/実践の機会が充実していること
管理職の実践力を高めるには、知識をインプットするだけでなく、自らアウトプットする機会の多い研修を選びましょう。
学びを効率よく定着させるためには、「インプット」「スループット」「アウトプット」を瞬時に、複数回繰り返すことが有効です。
新しい知識や考え方を学んだあと、自らの中に落とし込み、実際に試す機会の多い研修を選びましょう。
オンラインで管理職研修を受ける3つのメリット
オンラインの管理職研修は、受講生の参加しやすさ以外にも注目したいメリットが3つあります。
- リモートワーク下でのマネジメントを学ぶ機会になる
- オンラインで業務遂行するためのITリテラシーが身に着く
- オンラインでも高いアウトプットを生む練習になる
それぞれ解説します。
メリット1|リモートワーク下でのマネジメントを学ぶ機会になる
近年の働き方に対する価値観や活動様式の変化から、在宅勤務だけでなくワーケーションや地方移住者などの業務参画が増えています。これからの管理職には、離れた場所で仕事をするメンバーをマネジメントしていくスキルが必須です。
オンラインの管理職研修は、リモート空間に存在するチームメンバーと方向性や目標を共有し、目的達成のために協業する疑似体験になります。
講師のファシリテーションや他の参加者の言動などから、オンライン環境下のマネジメントについて実践的に学ぶことができるでしょう。
メリット2|オンラインで業務遂行するためのITリテラシーが身に着く
オンライン研修に参加するためには、さまざまなITツールを駆使する必要があります。代表的なツールとして、以下があげられます。
種別 | 例 |
ミーティングツール | Zoom、Skype、Google Meet |
チャットツール | Microsoft Teams、Slack、Chatwork |
情報共有ツール | Dropbox、Microsoft SharePoint、Google Drive |
タスク管理ツール | Notion、Trello、Microsoft To Do |
このほか、オンラインで効率よく業務を遂行するために便利なITツールは多数あり、これらのITツールを駆使することは今や必須のビジネススキルとなっています。
ITに苦手意識のある管理職の方も、研修参加をきっかけにツールを利用したり、利便性を実感したりできるでしょう。
ポイント2|オンラインでも高いアウトプットを生む練習になる
オンライン環境下でチームとして高いアウトプットを生み出すためには、ITツールの活用だけでは不十分です。
- メンバーへのこまめな声掛けや気配り
- 定期的なコミュニケーションの場づくり
- タスクや進捗状況、ナレッジを“見える化”する仕組み
そのほか、チームの状況に合わせた配慮や仕掛けが重要です。
実践的な管理職向けオンライン研修に参加することで、限られた時間内にチームで成果を生み出す疑似体験ができます。自分が今できていること、これから注意すべき課題などを発見し、実際のビジネスの場でも高いアウトプットを生み出すためのきっかけとなります。
管理職向けのオンライン研修は「実践力」で選ぶ
管理職向けのオンライン研修は多数ありますが、大切なのは「実践力」が身に着くことです。
ただ知識をインプットして満足するだけでなく、体験型ケーススタディやワークショップなどのアウトプットが多く、日常業務に生かせる研修を選びましょう。
また、オンライン環境でも研修に没入し、しっかりと学びを得られるよう、受講環境の整備にも配慮してください。
Indigo Blueが提供する「異業種リーダー共創塾」は、受講生の実践力に特化した3日間の短期集中型ビジネススクールです。
事前にオンライン環境のチェックやツール確認を実施するほか、研修後のアセスメント・レポートの提出で、開発領域を確認することもできます。
管理職の実践力アップに、ぜひお役立てください。
※人材育成研修のポイントを動画でも解説しています。ぜひご覧ください。
記事監修
瀧谷 知之(Indigo Blue 取締役)
トーマツ コンサルティング(現デロイト トーマツ コンサルティング)に入社し、通信ハイテク業界の戦略立案/変革支援に従事。 その後ジュピターTVを経て、ツタヤオンライン、TSUTAYA、カルチュア・コンビニエンス・クラブで経営企画/経営戦略室長として、ネット事業領域を中心に戦略立案や事業改善、新規事業企画、赤字事業の再建/撤退、M&A等を手掛ける。 2010年に株式会社コラビーを設立し代表取締役CEOに就任のほか、パス株式会社の代表取締役COOおよび各グループ会社の代取/取締役を経て現在に至る。今までに上場企業含め9社の代取/取締役を経験している。