自分自身の強みや弱み、改善しなければいけない点を強く認識することができる研修だと思います。

株式会社増岡組
経営企画本部 企画部部長 大河内 睦 様
ー 現在のお仕事、担当業務について教えてください。

私は、元々、総務部で人事や労務管理などを担当していましたが、2021年に現在の社長が就任して経営方針を新たにする中で、経営企画本部企画部というセクションが新設され、私がそこを担当することになり現在に至ります。企画部では、最近、経営方針の一つの柱であるコーポレートブランディングの強化に力を入れています。当社は、創業115年になる広島を拠点とした建設会社ですが、地元での知名度は想像した程ではなく、学生の認知度もそこまで高くないことが会社説明会などを通じて伝わってきました。今後は、“選ばれる会社”になるために、積極的に会社の魅力や強みを情報発信していく必要があります。企業のタグラインである『ソーシャルレジリエンス実現企業』や『SOCIAL RESILIENCE COMPANY』を商標登録するとともに、YouTube動画の制作やその他SNS、ローカルテレビCMの放映、交通広告の展開など、広報活動を積極的に進めています。また、社外の取材対応などPRにつながる機会は積極的に受けるようにしています。
ー 「登竜門」をご担当された経緯を教えてください。
企画部では、以前からIndigo Blueさんのご協力のもと、役員研修や部長研修を企画し運営してきました。「登竜門」は若手層向けで初めての試みということもあり、企画部である私のほうで担当することになりました。人選にあたっては、社内の20代後半〜30代前半の内勤社員を中心に公募を行いました。予想以上の人数から手が上がり、若手層の成長意欲があることが分かり、非常に嬉しかったです。
ー 「登竜門」の研修形式について、効果的だった点は何だと思いますか?
異業種との協働やプロジェクトベースの課題解決などの実務に近い形での経験を通じて、主体性やリーダーシップを育むようなプログラムだと感じました。異業種との合同研修では、どの会社の受講者も、皆さん本気でした。若手社員の熱気をすごく感じることができました。当社の社員にとっては、他社の仕事の進め方、問題解決手法、コミュニケーションスタイル等に触れられたことが大きな刺激になったのではないかと思います。
ー 「登竜門」の終了後に、受講生からのフィードバックはありましたか?
受講者にはレポートを提出してもらいました。自分自身の強みや弱み、改善しなければいけない点を強く認識することができたというフィードバックの声が多かったです。中には、強みだと思っていた能力を十分に発揮することができず、悔しかったというレポートもありました。私としては、悔しいという素直な気持ちをしたためて報告書を提出してくれたことに感銘を受けました。現在の自分の実力を受け入れ、内省し、表現(報告)してくれたものだと思うからです。こうしたレポートを受け取ると受講させて良かったと思いますし、将来の成長した姿を期待することができます。

ー 今後、Indigo Blueの研修に期待することは何ですか?
今回の若手層向け「登竜門」は、まさに総合力が問われる実践型の研修で、とても頑張って参画してくれた点には敬意を表しつつも、当社の若手社員にとっては若干ハードルが高いかな、と思うところもありました。「登竜門」につながっていく手前で、各スキルを伸ばすための個別研修があってもよいかな、と思います。例えば、ロジカルシンキングだけを鍛える研修、対人スキルだけを鍛える短時間研修など、段階的な育成プログラムが先に終わっていて、それらの集大成的プログラムを「登竜門」と位置付けられれば、当社としてはより良い設計ができると思います。
ー 今後の人材育成に関する構想や目標があれば教えてください。

当社は1908年(明治41年)創業の建設会社ですが、これからの時代を生き抜くために、変化に柔軟に対応できる人材の育成が不可欠だと考えています。特に若手社員には、「自ら考え、動く力」を身につけてほしいという思いがあります。そのためには、単なる知識の習得だけでなく、「自ら考えて動いてみた」という経験につながるような学びの場を提供することが重要です。社内外のプロジェクトへの参加機会を増やしたり、異なる価値観や働き方に触れたりする教育機会を通じて、視野を広げてもらいたいと考えます。
冒頭お話ししたとおり、現在当社では広報活動に力を入れていますが、これを一過性の取り組みにとどめるのではなく、長期的な視点で継続することで企業文化の醸成につなげていきたいと考えています。広報活動は、必ずしも“社外”向けの仕事に限りません。”社内”に向けても、社員がこの会社で働くことに誇りを持てるような環境づくりに貢献できると考えています。また、人材育成にも少なからず良い影響を与えるものだと思っています。
企画部の業務は、直接的に人材育成に着手するものではありませんが、会社の未来を担う人材が育つための「土壌」を整えるという点で大きな役割を果たせると感じています。