Vol.758「組織に潜む6つの”種族”」(メールマガジン「人事の目」より)

組織に潜む6つの集団。10年から15年前にこのテーマでよく講演していました。

組織というものは不思議なもの。「リーダー」「参謀」「エイリアン」「フォロワー」
「キャンサー」「パラサイト」、これら6つの“種族”が自然発生します。
これは自然の摂理みたいなもので避けようがありません。人事マネジメント上、
大事なことは、この“種族”のバランスを最適化すること。これが講演のメッセージでした。

「リーダー」のポテンシャルが高い人たちを一つのチームに集めない方がいいです。
その大半が別の“種族”、「参謀」や「フォロワー」に変貌しがちです。更にはそれを
天職と本人が誤解して、その道を探求してしまいます。せっかくの資質が開花しません。
「リーダー」の素養ありと見込める人には若いうちから相応なポジションを用意して、
「リーダー」経験を積ませるべし、です。

「リーダー」の定義は“周囲に良い影響を与えて組織を動かすヒト”です。そういう
存在感がある人は新卒同期の中であってもわかります。人を惹きつける魅力がある人がいたら、
その天賦を伸ばすキャスティングをしましょう。

個人としての優秀さが突出している、ただ人を惹きつけていない。こういう人は「参謀」
として鍛えましょう。「参謀」の素養がある人を「リーダー」にしてしまうと、その人が
リーダーの組織は潰れます。なにしろ、自分と同じ優秀さを周囲に求めますので。
本人もストレスで倒れます。いい事がありません。

大半の人は優れた「フォロワー」の素養者です。適切な指示と働く環境が整えば、
素晴らしい成果をあげます。組織が機能するのは、優れた「フォロワー」がいてこそ。
その人たちを「指示がないとできない」として軽んじるような発言をすべきではありません。
「フォロワー」が“ぐれてしまう”と大量のパラサイトが発生します。

「リーダー」の素養がある人がなんらかの理由で“ぐれて”しまうと「キャンサー」に
なってしまいます。「キャンサー」の定義は“周囲に悪影響を及ぼし組織を朽ちらす”。
「キャンサー」が一定数以上発生すると組織は完全におかしな状態になります。

「キャンサー」はそれなりに仕事ができます。雄弁です。優れたリーダー候補と
混同しがちです。わかりやすい違いがあります。「リーダー」は利他、「キャンサー」は
利己です。「キャンサー」は自分のために一緒に働く人を次々におかしな状態に追い込みます。
仲間を裏切ることも平然と行います。

先日「キャンサー」事例に遭遇しました。しかも、それを見抜けませんでした。
日常的に接することがないと見抜くのは難しいですね。自分の眼力を過信してはいけない。
これが今回の学びです。(しかし、久しぶりに1日じっくり落ち込みました。)

最も難しいのは「エイリアン」の取り扱いです。「エイリアン」とは慣習に縛られることなく、
新しいアイディアを出します。誰もやったことがない動き方をします。刺激的な存在です。
一方で「エイリアン」の中には古くからいる人たちの感情を逆なでするような発言をする
人も少なくありません。既存の枠組みでは処遇しきれません。

こうした「エイリアン」が滅亡したり、他の“惑星”に逃亡したりしないようにできるか、
その“異”をいかに活用できるか。これが「0から1」を生む芽となります。
事業責任者の懐の深さが問われますね。


おまけー1:北新地の夜。徘徊するおっさんたちのメガネがみんな同じに見えます。
上が黒で下が銀ぶちの細いメガネです。みなさん、眉毛が細いです。声が高いです。

おまけー2:9月にはネッシーの謎が解明されるそうです!(発熱しそうです。)
https://news.livedoor.com/topics/detail/16968434/

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