958号「数字だけで評価しない」(メールマガジン「人事の目」)

今日のテーマは事業責任者をどう評価するか、です。

業況に応じてビジネスモデルを最適化し、体制を整え、持続的に業績をあげる。これが事業責任者の役割です。別の言い方をすると「戦略の策定および事業計画の立案と実行」です。

結果の数字だけで判断するのは適切ではないと思っています。成果に結びつくまでに時間を要することが結構あるものです。評価すべきは、事業の成長のために、適切な手を打てているかどうか、だと思います。

対予算や対前年実績との比較から評価することがよくあります。これは重要な参考情報だと思います。ただし、予算の設定が適切であるか、また前年実績に特殊性がないかを熟視した方がよいでしょう。事業は生き物です。業況がこれだけ変わる昨今、単純に対予算や対前年による評価だと実態を見誤る可能性があります。

提供している商品やサービスが成熟している場合や、市場そのものが縮小している場合は単純ではありません。減退のスピードを遅くする、または”負け組“の中の勝者を目指し、市場からの残存利益を最大化することに焦点をあてる。あるいは商品、サービスの本質的な価値を再定義して新たな市場を創る、このどちらかだと思います。

数字が良かったとしても何も手を打っていない(事業を遂行しているだけの)場合には高く評価することはできません。数字づくりのために無理をしている場合は要注意です。継続性のない施策はむしろネガティブな評価をすべきだと思います。ここを看過していると法令違反や倫理的に問題がある行動の温床となります。

手を打っているがその「内容」や「打ち方」が不適切である場合には、気づいたときに改善を直言しましょう。「内容」についてはよほどのことがない限り、現場に近い事業責任者の判断を信用した方が良いと思います。「打ち方」については精査しましょう。組織のメンバーが痛むような言動がある場合には要指導です。数字に惑わされてはいけません。どんなに好業績をつくれたとしても、メンバーが離脱し続ける場合には、その責任者は不適だと評価した方が良いと思います。

例外はあります。なりふり構わず売上をつくらないと会社が持たない、という場合には期間限定と割り切って、その「不適」な責任者を登用し続けましょう。ただ、一定期間過ぎたら交代させることが大前提です。

判断が難しいのは、業況判断も適切、打ち手の内容も打ち方も適切。組織メンバーのモチベーションも高い。しかしながら、なかなか結果が伴わない場合です。こういう場合には2年ないし3年で判断するのが良いと私は考えています。

もしかすると「運」がないのかもしれません。成功には偶然の要素が多く、成功者に聞いても「実は運が良かった」と言われることが多いように思います。やるべきことを適切にやっているが結果が伴わないのは「運がない」のだと思います。

その場合には同等の期待ができる人に交代するのが良いでしょう。そこで「運がなかった」人も環境が変わると本領発揮となるかもしれません。左遷や降格ではなく、場を変えるという処遇にします。


おまけー1:笑う門には福来る。事業責任者で結果が出ずに悩んでいる方へ。

おまけー2:運気を上げるために「壺を買え」とは言いません。(笑)気分転換でこちらはいかが。PHAZEリカレントで事務局を務めているOさんが制作しているアクセサリーです。
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おまけー3:早朝、コーヒーを片手に昇ったばかりの太陽の光を浴びることをルーティンにしています。運気が上がりそうな気がします。

 

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