Vol.769「未来を見越した人材育成のために」(メールマガジン「人事の目」より)

フィギュアスケートの女子のグランプリ(GP)シリーズ。4回転ジャンプを跳ぶ
ロシア勢が連勝しましたね。とあるスポーツコメンテーターがこう話していました。
「ロシアでは未来を見越した人材育成がなされている。」未来を見越した人材育成。
次世代経営者候補の育成を考える上で、これは極めて重要な要素です。特に現在30歳代の
いわば次々世代を対象とした場合には欠かせない要素となります。

「未来を見越す」という点から私が大事だと思っていることは3つあります。

“どうなるかわからない環境下で意思決定すること”
“そうはいっても影響を与えうる環境要因について知見を得ておくこと”
“どんな時代になっても変わらないことを学ぶこと”

10年後ともなりますと、経営上のアジェンダも今とはだいぶ様変わりしているはずです。
しかしながら経営環境がどうなっていようが、リーダーの仕事は変わりません。
決めることです。自分が経験していないことであっても、どういうことかを把握し、
意思決定しなければなりません。これは10年後と言わず今でもそうです。
ただ、10年後はその多様性、複雑性が今より高まっていると思います。そうなると、
それなりの訓練が必要です。

私がよくやるのは現業とは全く関係のない事業をテーマとし、その課題を克服するための
施策を考えるという演習です。特に大企業の人には「ベンチャー企業」をテーマに
考えてもらいます。この演習を通じて、やったことがないことであったとしても
イメージし、施策を考える訓練をします。

これはいわば「頭の体操」。イメージ力喚起のための訓練として有効です。
ただし、これだけでは足りません。感情の起伏を伴わない学びは忘れます。
そこでOrganization theater(OT)です。OTでは、様々な状況で不測事態への
対応が求められます。まさにどうなるかわからない状況になります。そういう中での
タイムリーな意思決定と利害関係者を意識した実践訓練、それがOTです。

OTを修羅場研修と称する方がいますが、修羅場になるようなことをするから
修羅場になるのです。ここで痛い想いをすればするほど記憶に深く刻みこまれます。
だからこそ、実際にそうした場面に遭遇したときに力を発揮できます。

「影響を与えうる環境要因についての知見を得ておく」。10年先に何が影響を与えうるかの
見極めは難しいです。しかしながら、「グローバル」「AIを含むデジタルトランス
フォーメーション」。この2点はどう考えても、影響を及ぼしているはずです。

「AIを含むデジタルトランスフォーメーション」については日々進化してますで、
現時点での展望しかわかりません。それでよいと思います。この手のことに全くの
門外漢となりますと話になりませんから。

「グローバル」。今後、“当たり前のように非日本人が日本人同様に働いている”
企業でないとグローバル市場で生き残っていけないと思っています。しかし、そのための
準備をする場が不足しています。

私が立ち上げたThe Third Way Forum(日本で働く外国人のコミュニティ)は
お役に立てるはずです。本来の趣旨は日本で働く外国人の働きやすさを改善することですが、
このコミュニティとの対話、活動は“当たり前のように非日本人と仕事をする
”疑似体験になります。

最後の「どんな時代になっても変わらないこと」 これは「心のもちょう」です。
人間相手に仕事をしていく以上、リーダーとしての「心のもちよう」の大切さは不変ですね。


おまけー1:自宅近くで中年男女の衝突を目撃。あろうことか、男性は後ろ向きでムーンウォーク、
女性は歩きスマホ。明らかに両方悪い。ただ、男性のムーンウォークがかなり下手だったので
男性が悪い。(もしかするとムーンウォークではなかったのかも。)

おまけー2:研修で使う映像撮影に立ち会い。はたからみると「オレオレ詐欺集団」の練習にそっくり。
隣のオフィスの社員から通報される前に撤収しないと。

おまけー3:京都の一等地にあるミーティング・研修スペースの「NARU」。
ぜひぜひご活用ください。(長期利用も歓迎します。) 
https://narus.jp/

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