配信再開につきまして(メールマガジン「人事の目」より)

いつも メールマガジン“柴田励司の人事の目”をご覧いただき、誠にありがとうございます。
人事の目の事務局より、メールマガジン再開に関するご連絡です。

この度、メール不達のご連絡が多数ございましたため、メール配信システムの見直しを実施いたしました。
つきましては、本メールにて、メール到達の確認を兼ね、柴田の最新の日経コラムをお送りさせていただきます。
(今回に限り一週間かけて本メールを順次お送りさせて頂いております。到着日時が人によって異なります点ご了承くださいませ。)

また、人事の目の再開は9月27日を予定しております。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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日本経済新聞 柴田励司 コラムより
「ジョブ型雇用への劇薬」

KDDI、日立製作所、資生堂、富士通など名だたる企業が「ジョブ型」人事制度に移行すると発表した。「ジョブ型」へと加速させているのは在宅勤務であぶりだされた「社内失業者」の存在だ。自分が何をすべきなのかわからない、自分がやれることがわからない、やっていることが正しいのかどうか不安、こういう人が多発している。親しい経営者たちに聞くと30%程度の社員が社内失業者の様相だという。だから、ジョブディスクリプション(職務記述書)を用意して何をすべきか、はっきりさせたいという。

過去にも同様の制度変更はあった。年功から職能へ、職能から成果へ。ただ、本質は変わっていない。優秀な人材が年齢にかかわらず要職に登用されるようになったくらいだ。通年採用も道半ばで依然として新卒一括採用がメインであるし、目立った人を除くと専門職の社内的地位は低い。
ハリー・C・トリアンディスなど文化心理学者の分析によると、日本は「親密に結びついた人々が織りなす社会的なパターン」による集団主義傾向が強い集団であるという。また、日本人にとって人間として好ましいあり方は、「特定の役割や関係にどう的確に対応するか」だという。確かに日本企業には「ご指示ください。全力でご期待にお応えします!」という意識の人が多い。「ジョブ型」にするということは、多くの人の意識を「私はこれができます。この提案はいかがですか?」に変えるということだ。

ジョブディスクリプションを用意したところで、意識が変わらないと何も変わらない。むしろジョブ型への劇薬は、期間の定めのない契約を有期にする雇用形態の変更だ。現行の労働法下においては、福利厚生面の配慮をした上で業務委託契約への変更も視野にいれた方が良い。上司による部下の管理もなくした方が良い。上司は管理、指導、育成ではなく、働く環境の最適化、パフォーマンスをあげるためのベストチーム作りがその主な役割となる。

そこまではできない、と言う場合には格付けの定期的な見直しでも効果がある。専門性ごとに「職群」をつくり、全社員をそのいずれかの職群に位置づける。その中で全員を対象に、「専門性の深さ」「事業への貢献度」「社内への影響度の度合い」についてランキングする。そのランキング結果に基づき、全員を完全に再格付けする。個別の格付け変更は随時行う。

留意すべきはマネジメントについても一つの職群とすることだ。専門家集団を動かす指揮力をマネジメントの専門性として問うのだ。さらにはこの専門性を高めるための場の設定、スキルトレーニングも必要になる。自分の専門性を高めるのは自分という意識づけだ。こうした一連の施策を講じてこそ「ジョブ型」への本格的な移行が進む。

[日経産業新聞2020年8月26日付]



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