Vol.339 明日のビジネスのために

年末年始。日本で、最も”世の中が動かない”数日間です。
しかし、もう9日。”お正月気分”もすっかり抜け切った頃と思います。
一方で、小売やサービス業の方々はこの3連休が終わって、
ようやく一息つく頃でしょう。お疲れ様です。

この時期、”今年はこうなる!”的な企画を至るところで目にします。
しかし、世の中はパチン!と変わるものではありません。
むしろ、”気がついたら変っていた”というのが実態でしょう。

パチン!と変ったように見えることであっても、実はその内面は
じわじわと変っていて、ある時、パチン!と弾けて変っただけだと思います。

だから怖い。”変ったことに気づかなかった”、”変ったことを気づいていない”
という状況になりかねません。変化を止めることはできません。

10年後はどうなっているか、という問いかけに
「うーん、今の業態はなくなっているだろうね。」と答え、
5年後は?には「かなり、苦しくなっていると思う。」と答え、
来年は?と聞くと「大きく変わらない。」と回答される方がたくさんいます。

正直な回答でしょうが、経営者がこれだと(予想とおり)10年後はないでしょうね。

経営者の一つの役割が「今日のビジネスと明日のビジネスのバランス」を考えることです。

目先の数字を創ることに100%以上のリソースを充てていると、
目先はいいでしょうが、明日がありません。一方で、明日のビジネスに
多くのリソースを割いていると、足元が崩れて来ます。このバランスが難しい。
この割合という絶対的な解はありませんが、ここに経営者の才覚と目が問われています。

明日のビジネス。これを考え、実現に向けて適切なリソース配分をするのは
経営者だとしても、その意識は社内全ての層で持っておくべきです。

“現場は目先の仕事をきちんとするのが仕事”。よく耳にする言葉です。
しかし、これだけですと、現場で起きている明日のビジネスのヒントを見失います。
その感覚を持っている社員が辞め、あるいはそういう芽が摘まれます。

顧客接点の現場が明日のためのヒントに対して最も敏感でなければ、
明日のビジネスづくりが遅れます。

現場で感じた様々なヒントを吸い上げ、そのポテンシャル(成長性)と
自社がやることのWHYを経営に近いところで考え実行計画をつくる、
この流れを常に回しておきたいものです。

23歳のころ、ホテルの宴会場でウエイターをやっていました。その時の話です。

法人主催のパーティでは、300名、500名と出席者が多いのでブッフェ・スタイルの
宴席になります。ところが、その宴席でいつも冷たいオードブル系の料理がどっさり残ります。
宴会終了後、”そんなにマズイのかいな”と思って、残りものをコッソリ食べてみましたが、
そんなことはありません。むしろ美味い!

じゃあ、なんでいつもあんなに残るのかなーと思って、宴会参加者の動きを
見てみたところ、わかりました。

参加者は食事をしに宴席に来ているのではなく、名刺を置きにきている、
または、特定のヒトと話すために来ているのです。食事はメイン系のがっちりした
暖かい料理や寿司を、ささっとつまむだけでいいのです。
だから、寿司とか焼きそば、チャーハンはあっという間になくなり、
冷たいオードブルがどっさり残るという展開になるわけです。

ところが、メニュー作成側はフルコースよろしく冷たいオードブルからデザートという
“素敵なお食事”を想定してメニューをつくっています。これだ!と思い、
当時の宴席の営業担当者の方に話したところ、

「何言ってんの。そんなこと考えるヒマがあったら、そこのお皿を下げて。」

と言われて、大いに意気消沈した記憶があります。(宴席中に言った私も悪い。)

現場で多くの人間が自らビジネスを創りだすことを考える。
その考えが、経営のアジェンダになる仕組みがある。
経営者は自分が見えているものだけを是としないで、オープンマインドで対応する。

これが実現したら、明日のビジネスが次々に花開いていくだろうなあと思います。

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おまけー1:新しいタクシーの乗り方。

タクシーで白金台の交差点付近で信号待ちをしていたときの話です。

「コンコン」左の窓をノックする音がします。

見るとサングラスをかけた美女風の二人組が切羽詰まった顔をしています。

「は?」
「あの、このタクシーに乗りたいんですが。」

おまけー2:新しいトッピング:

神谷町オフィスの地下のラーメン屋で味噌ラーメンを頼みました。
タイ人らしい店員が「ゴーン、ツケマスカ?」

「はい、トッピングでお願いします。」
「トッピングデスカ・・?」「はい」
「ホントニ?」「(だからー)はいっ!」

しばらくして日本人の店主が「お客さん、ご飯トッピングでいいの?」

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