Vol.399 社内情報の流れをよくしないと

毎年恒例ですが、花粉症がエライことになってきました。

この薬がいいとか、レーザー治療が効くとか、乾布摩擦とか、
いろいろありがたいアドバイスをしてくれる方がいます。
しかし、花粉症歴33年の私は毎年「自力でしのぐ」という
原始的な対処(正確には何もやってないと同じ)でなんとか毎日乗り切っています。

さて、昨年9月からインテリジェンスさんのHITO総合研究所主催の勉強会
「経営の一翼を担う人事責任者になるために」で座長をやっています。
2か月に1回の勉強会で、毎回、ゲストと共に30人程度の人事責任者の方に
ご参加いただいています。

これまでやってきたテーマは「経営者が人事部長に期待すること(総論)」を皮切りに、
「企業の成長に資する人材の確保」、「人材データベースの維持管理」。
この4回目が先週の月曜日にありまして、テーマは「情報の流れの円滑化」でした。

社内の重要情報が外に漏れないように・・・という「情報管理」については、
どこの企業・団体でも気にしています。そのための仕組みやルールもけっこう
厳密に定められていることが多いです。

しかし、それよりも大事なことへの注力が足りていないように思います。

モレ防止よりも大事なのは、組織にとって必要な情報がタイムリーに流れ、
共有されることですよね。ところが、どうですか。そのための働きかけや
気遣いってやっていますか?

例えば、会議体の設計。社内に経営会議から、部門会議、課単位の会議とありますが、
意識して、日程を設定していますかね?

経営会議をしたら、すぐにその下、その下と階層ごとの会議が続くように日程を設計しませんと、
経営情報の共有に時間差が生まれます。鮮度の落ちた情報はそれが大事なことであっても
共有されなくなってしまいます。これが、”え、聞いてないの?”を生みます。

メールで共有、といってもメールでは情報の本質が伝わりにくいです。やはり、
そこはFace to Faceが理想。それが無理だったら、せめて、TV会議、電話会議。
どうせ、会議をやるのですから、設定日を意識した方がいいに決まっています。

会議の議事録が即日に共有されないのは問題外です。さもないと日程を考慮しても
情報共有もヌケモレが生じます。また、会議の欠席者へのフォローが十分にできません。

更には情報掲示のやり方。

イントラネットに入れてあります。”

本件について全社員にどう共有する?と質問して、事務方からこういう返事がくると
一番腹がたちます。忙しいヒトほどイントラネットを見ることができません。
イントラネットに情報を集約しておくのは基盤として当然。

しかし、それと浸透策は別ものです。

よし、じゃあ貼り出しだ。と社内のあちこちにポスターみたいなものを貼り出すことがありますが、
これもたくさん貼ればはるほど伝わらなくなります。情報過多は無と同じです。
しかも、タイムリーに貼り出し内容を変えていきませんと、一般風景化します。

いかに忙しいヒトにその大事な情報を届けるか。お客様に自社商品やサービスを
訴求するために販促手段としていろいろ工夫するのと同様に、
社内の情報共有についてもそれなりの働きかけをやるべきです。

経営者や人事責任者としては、これらのハッキリした「情報の流れ」は
もちろんですが、目に見えない「感情」の動向にも気を配る必要があります。
情報が流れますと、そこに必ず感情が付帯します。嬉しい情報、気分が滅入る情報、
腹立たしい情報・・・、これらが情報の伝わり方に影響を与えます。

ヒトは言葉からではなく、その周辺のことから判断します。
話し手の表情、声のトーン、雰囲気、これらの情報からメッセージを得ます。
会社の方針を伝えるヒトがその気になっているかどうかは一発でわかります。
そうなると、トップが”変革!”とココロから叫んでも、途中でトーンが変わり、
“他人事”情報として伝わっていきます。そうなると、”変革”は絶対に実現しません。

こうした「情報の流れ」に気を配る責任者が不在です。社長は不適です。
社長の言動というものは、その社長の品格や人格の良し悪しに関係なく、
組織の動きに影響を与えます。だとすると、誰が適任か。

私は人事責任者だと思います。これを実現するためには、人事の中に
この領域の専任課長を置きましょう。英語だとEmployee communication、
日本語だと社内コミュニケーション担当、とか社内広報担当という感じでしょうか。

先日、某企業主催のCIOフォーラムで基調講演し、この問題について問題提起しました。
「情報の流れ」と言うと、それは情報システム部長でしょう・・・と反応される方が多いからです。

もちろん、CIOがこのことを気にして進めていただけるのであれば、
それを否定するものではありません。しかし、CIOは情報の流れを円滑にするための
インフラの整備と提供はできても、感情を付帯する情報の流れまで気にする、
というのはやや領域外になるかと。全ての情報がヒトを介して伝わることからすると、
ここはやはり人事責任者なのかな、と思っています。

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