年の瀬に仕事について考えてみました。
仕事には「自分が動くことで成果が出て、それで完結するもの」と「多くのヒトの成果に
つながったり、その価値が増殖したりするもの」があります。前者を「1:1」の仕事、
後者を「1:N」の仕事と私は呼んでいます。
今後の日本を考えると、「1:N」の仕事をするヒトが増えた方がいいと思います。
なにしろ「1:N」の仕事は、自分以外の多くのヒトの「仕事の機会」を創出しますし、
「1:N」の仕事では一度創りだした価値が増殖する可能性があります。
今後、生産年齢人口が減少する日本だからこそ、意図的に「1:N」の仕事の従事者を
増やす必要があります。そうでないと日本のGDPは上がりません。
「1:1」の仕事には、特別な医者や弁護士、プロスポーツ選手、高度専門職など、
その成果の質が高く、報酬も高い仕事もありますが、そのヒト限りです。他のヒトに
価値が波及するものではありません。経済効率的にはあくまでも「1:1」のままです。
「1:N」は違います。広がっていきます。しかも、その経済効果は曲線的に伸びる
可能性があります。
わかりやすい例が新たにお店や工場をつくること、これも「1:N」の仕事です。
なにしろ、そこに新たな雇用が創出されますから。新たな生活が生まれます。それが
総合的な経済効果の曲線的な伸びを生みます。従って、企業の事業拡大の仕事は「1:N」です。
また、プラットフォームとなる新しい商品やサービスを世の中に創出すること。
これも「1:N」です。例えば、iphone。部品、周辺作業、アプリ業者・・・
多くの「仕事の機会」が創出されました。
一度創りだした価値が増殖する代表例が本や音楽、ゲームといったコンテンツです。
PCやスマホのアプリケーションもそうです。一度、エネルギーと労力、時間を投入して
コンテンツを創り、それを多くのヒトが買えば買うほど利益率がどんどん向上します。
まさに「1:N」。
さて、12月1日に就活が解禁されました。未だに大企業・安定志向の学生が多いですね。
大企業に入社すると、暫くの間「1:1」の仕事をすることになります。会社そのものが
「1:N」の仕事をしていたとしても、個人としてはその中で「1:1」の仕事になります。
「1:N」の仕事に関心を持っている若い世代の方は、できるだけ早いタイミングで起業するか、
ベンチャー企業に転身した方がいいと思います。
先日、とある会合でこの手のブレストをしたときに「大企業は解体してはどうか」と
発言しました。
組織は集中と分散を繰り返しながら成長していきます。日本という産業構造を一つの組織に
見立てると、今は分散の時期ではないかと思っています。
組織が大きくなると、管理的な側面が強く出てきます。組織の中の役割分担が行われます。
誰かの指示に従って動くことが日常化します。組織の中で”気を遣う”ことも増えてきます。
これらは、価値創造を邪魔することはあってもプラスには働きません。
ベンチャー企業でそんなことをやっていたらたちまち立ち行かなくなります。
ベンチャー企業では、自分で考え、自分で行動し、自分で修正する。PDCAを自己完結
させないといけない環境がそこにあります。
大企業からベンチャーに転身して”使えない”人が多いのは、誰かのPDCAの中で動くことに
慣れきってしまっているからです。大企業という組織は「誰かに管理される」メカニズム
ですから、そこに長くいると当然、自分完結能力が鈍ってきます。これはいけません。
ということで若い世代や大学生向けに声を大にして「ベンチャー企業へ行け!」
と言いたいですね。
「1:N」の仕事に意欲がある人でも、給与が下げることを考えると現実的には・・・
という方の転身を支援するために、こんな支援策はいかがでしょう?
創業年数が若い、資本金が1億円以下の企業に務めた場合に所得税に「特別控除枠」
を設けて、チャレンジする人達を経済的に支援する。これがあると現実的な後押しに
なります。新政権でぜひ検討していただきたく。
Indigo Blueを本当の意味で本格稼働させて6か月。「1:N」の事業を実現すべく
頑張っていきたいと思っています。ネタはいろいろあります。柴田励司の「1:1」を
「1:N」にする仕事を本気でやってくれるヒトを募集します。(^_-)
2012年もメルマガをご愛読いただき、ありがとうございました。
2013年もよろしくお願い致します。よいお年をお迎えください。
次号は1月6日配信予定です。
おまけ‐1:今週の「日本語は難しい」:
某男性の言葉、”柴田さん、ジャグジーに一緒に入りましょう”。これだと確実に引きますが、
“柴田さん、お風呂にジャグジーありますよ。”だと(行こうか)と思います。
おまけ‐2:名古屋駅で”鹿のせい”で乗り換えの時間がなくなり、どえらい勢いで走っていた
ところ、”新幹線を良く使われる方へのご案内です。”某カードの案内の女性がどえらい速さで
伴走してきた。しかも、両手がふさがっているのに。(こうなると空気読むどころではない。)
おまけ‐3:今年のカラオケの歌い納めは”We are the world“。無理やりみんなで歌う。
しかし、これ名曲だ。