先週は久しぶりに風邪でダウン。1日ですが、スケジュールに穴を開けてしまいました。
その日は私のスケジュールから決めた打ち合わせが3件、それ以外にIndigo Blueの
取締役会、社外役員を務める会社の取締役会が予定されていたのですが、全て欠席。
関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
なにしろ咳をするとガーンと頭痛が・・。それが怖いので咳き込まないようにしていた
ところ、腰が曲がったおじいさんみたいになり、身体の節々も痛み始め、こりゃいかん
と近くの診療所に行きました。
この診療所はネット予約できるので朝イチで予約を試みたところ既に13番。
(具合悪い人多い・・・)10時半過ぎの診察になりました。
名前を呼ばれて診察室に入り、症状をお話ししたところ、女医さんがPCの画面に
向かって入力。その後、ちょっとだけ聴診器を当てて、「薬のアレルギーありますか?」
「ないです」「じゃあ、部屋の湿度を60%くらいにして、それとマスクもね。痰を切る薬と
・・・を出しておきますね。はい、おしまい。」
「具合が悪くなる」→「医者にいく」→「大量に薬をもらう」
極めて一般的なフローだと思うのですが、これが当たり前のままだと医療費が縮小する
とは思えません。厚生労働省の発表によると2011年度の国民医療費総額は38兆6千億円。
医療費の膨張が財政を圧迫していると言われて久しいわけですが、本格的な対処には
更なるアクションが必要だと思います。
患者負担を引き上げるという方策がとられがちです。これはある意味で正しいと思います。
たいしたことでないのに医者にかかって保険を使うことへの抑制にはなりますから。
ただ、負担が増えるので不人気の施策です。(個人的にも嫌です。)
これ以外にジェネリック薬品を活用促進して医療費を削減するというのもあります。
これは有効だと思います。
但し、最もやるべきことは次のサイクルを回すことだと思います。
「健康管理に気を配る」→「具合が悪くならない」→「医者に行かない」(→医療費が減る)
メタボ対策やらジョギングブームづくりなどが盛んに行われています。これらは正しい
方向性だと思います。これをもう一歩進めるためのインセンティブ策もあった方がいいと思います。
例えば、健康診断を定期的に受診し、維持・改善していると、年末に健康保険料の一部が
戻ってくるとか。保険証を1年使わないでいると翌年の保険料が減額されるとか・・・
(思いつきですが)
行動の根源にメスをいれませんと、なかなか行動は変わりません。
この「行動」、企業経営においても極めて重要な要素です。企業では「戦略」を立てますが、
「戦略」はそれを実行するための「プロセス」と「行動(Behavior)」が伴わないと実現
しません。特に「行動」が伴わないと結果が出ません。
この「行動」を変えるための考え方として「ABC管理」というものがあります。
これはIndigo Blueが今後、米国の組織開発コンサルティング会社のCLGと一緒に
ご紹介していく考え方の一つですが、Aはantecedents、Bはbehaviors、CはConsequences の略です。
Antecedentsを日本語化するのが難しい言葉ですが、この場合は「やるべき事」「ルール」「
指示」のようなものです。つまり、「やれ!」という要素です。これは行動のきっかけには
なり得ますが、行動を継続させません。行動を定着させるとしたら、その行動が採られたことによって得られること(Consequences)を提示して誘引する(やりたくさせる)方が有効であるという考え方、それがABC管理です。
例えば、社内文書をみなが見ないと言って管理者が注意したり、見ないことで罰則を
与えたりするのではなく、社員がついつい見てしまう、または、見たくなるような仕掛けを
すればいいのです。
こうした組織行動を変えるための視点は、オフィスレイアウト、勤務時間、イントラネットの
デザイン、インセンティブ等多方面からのアプローチが必要です。これらを総合的に捉え、
社員を動かすのではなく、動くように仕向ける、このための知恵と施策が必要なのです。
これは「行動科学」の領域です。
水は高きから低きに流れるもの。このための仕掛け、環境整備をしましょう。
(痛い思いから学ぶのもネガティブインパクトからではありますが、同じ考え方です。)
これまで、幼児教育の領域で応用されることが多かった「行動科学」ですが、組織行動を
変える点でも大いに有効だと思っているので、今後、もろもろご紹介していこうと思っています。
おまけー1:しかし、本当に風邪を引くとキツクなるのは自分だし、周囲の方々に迷惑をかけるし・・・、ということでネガティブインパクトながら、今回大いなる学びを得たのでした。
おまけー2:咳をすると頭・全身が痛いときですが、咳をしながら海老ぞりをすると
少し緩和されます。
おまけー3:明日は休むと決めて、秘書の佐々木さんに電話。あいにく留守録。ピーと
なって話そうとして咳の発作。「さ、さ、ゴホゴホゴホ、さ、ゴホゴホゴホ、う・・・、
ゴホゴホ・・、ピー」。しかし、十分にメッセージは伝わりました。