949号「言ったよね、という前に」(メールマガジン「人事の目」)

(それ、この前、説明したじゃん!)・・・そう思うことがありますよね。

前に伝えておいたこと、それを再度問われるとイラっとしがちです。“イラっと”するのは、多くの場合それが「言いにくいこと」、「本意ではないこと」、「やましいこと」だからです。問われただけで責められているような気になるからです。

相手は単に忘れているだけです。そこに意図はありません。もちろん非難しているつもりもありません。責められていると感じてしまうのは、こちら側の心のもちようの問題です。

カジュアルな間柄であれば、「この前、話したよねー」、仕事上の関係であれば「*月*日に以下のメールでお伝えしましたように・・・」とやってしまうのです。

そうなると、今度は相手も感情を害します。単に質問しただけなのに責められている気になります。その後の展開がとげとげしくなります。

自分のことを優秀だと思っている人の場合はさらにややこしいです。「認められたい」「すごいと思われたい」「褒められたい」という承認欲求から、いつ伝えたか、どのように伝えたかを詳細に説明しがちです。伝え忘れるなんていうミスを自分は犯していない。自分は正しい。忘れているあなたが間違っている、とやってしまうのです。そんなことを聞かされて気分がいいわけがありません。

更にレベルが低いのは、“なんども言わせるな!”と感情をぶつけてしまうケースです。これは心理的に相手のことを劣位に思っており、自分に対して意見するな、質問するな、という想いがあるからです。思い上がりも甚だしいですが。

人間なので、そのときの体調や置かれている状況から、再度問われてイラっとすることはあります。その場合にはすぐに反応しない方がよいでしょう。最短でもアンガーマネジメントで言うところの「6秒」置いてから反応するのが良いと思います。(私の場合、6秒では収まらないので1日程度置いて、自分を冷静に客観視できるようになってから反応するようにしています。)

普通に回答しましょう。“この前説明しましたように・・”といった余計なことは一切ふれないでいきましょう。それでいいんです。その回答から“あ、この前、説明を受けたな”と思うはずです。そうなると、“すみません、これ前にもお伺いしましたね・・・”という反応があるはずです。結果として自分の承認欲求も満たされ、やましい気持ちも昇華します。

相手が完全に忘れていると、そういう反応すらありません。それでいいじゃなないですか。相手の健忘を攻撃していいことは何もありません。

自分が「再度問う」をしてしまい、相手がイラっとしているとわかったら、「ごめんなさい、これこの前も聞いたと思うんですが・・・」というフレーズを使いましょう。それだけで次の悪い展開を緩和できます。


おまけー1:大学時代の悪友I氏と16年ぶりにサシで食事。くだらないことについては神がかり的に覚えているI氏から、かつて私がやっていた“いたずら”の数々を聞きました。クラブの同期の自宅に電話をかけて、相手が出たら「お馬の親子」をソプラノリコーダーで吹く、後輩に道端で目つぶって手を振らせて姿を消す、は記憶にありましたが、その他はI氏の幻想だと思っています。

おまけー2:麹町の事務所で窓を開けていたら、鳩が2匹部屋に入ってきました!

おまけー3:YouTubeの公式チャンネルの登録者が1000名に!(パチパチ)
https://www.youtube.com/channel/UCW7p8XoQH6yKRJ6tUmodukA
みなさん、ぜひご登録を。( `―´)ノ



記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。

 

メルマガ登録(無料)はこちら

 

 

関連記事


TOP
TOP