Vol.529  過度の忖度行動の根源

「過度の忖度行動」。これがあると、進むべきことが進まず、空回りすること多発。

いいことがありません。

 

大辞林では「忖度とは他人の気持ちをおしはかること。推察。」とあります。

忖度そのものは、もちろんいい事です。但し、それが過度になるからいけないのです。

組織を蝕み、動きを止めます。

 

例えば、現場で頻繁に起きているクレームについて。“こんなことで忙しい「上」を

煩わせてはいけない”、と現場の責任者が考え、「上」へ報告せずに対処する。

「上」は顧客の声を一番大事にしたいと考えているにも関わらず、ついぞこその実態を

知ることはありません。

 

「上」が発案したことが実は的外れ。しかし、そう言ってしまうと「上」が気分を

害するだろうと(怖れて)誰も進言せず、そのプロジェクトが動き出す。

プロジェクトに参加させられたメンバーは誰もが“うまくいくわけがない”

と思っているので力が入らず、当然結果も出ない。

 

この手のことが蔓延している組織をたくさん見てきました。

 

「上」からすると恐ろしいことです。意図せず「裸の王様」になっているわけですから。

 

「上」の行動がそれを助長していることはあります。「上」について不満を持つ

幹部たちと「なぜ、過度の忖度行動があるのか」について議論すると、

たいてい次の議論になります。

 

・「忖度せざるを得ない状況」がある

・上が意図を明らかにしてくれない

・コミュニケーションスキルの問題もあるだろうが、保身のために、

 どっちにでもとれるように話しているのかもしれない

・または、上が忙しさにかまけて情報共有をしてくれない

・そこに忖度を期待する「上」の甘えがあるのかもしれない

(自分も忖度してきたからとして)

・さらには周囲に忖度する人が多いので自分も忖度せざるを得ない

・なぜ、そうかというと、忖度しなかったがばかりに“エライ目”に遭った人が

 多いから(または多いと思っているから)

 

これらは全て「上」が悪いという論調です。忖度せざるを得ないのは「上」のせい

という話です。私もこれが主要因だとして「上」に行動改善を求めたこともあります。

 

確かにそういうこともあるのでしょう。

但し、最近私はそれが全てだとは思わなくなりました。

 

いつの時代でも「上」がどんなに横暴でも、「上の顔色を気にせず言いたいことを言う」

ヒトはいます。こういう人は過度の忖度をしないだけです。必要な忖度はします。

ホスピタリティ(相手が期待することを予見して先に動く:柴田の定義)マインドが

十分にあります。ですから、言いたいことを言っても「上」が聞く耳を持ちます。

 

一方で、いつの時代にも過度の忖度をし続けるヒトもいます。

 

私は「上」以外の要因、過度の忖度行動を自発的にとっている中間管理職が多いこと。

これが主たる要因ではないかと考えています。「上」の行動はそれを増幅している副因だと。

 

過度の忖度行動を採る中間管理職は、「上」を言い訳にすることが多いです。

“「上」がこう言っている”、“「上」からの要請です”・・・等。ひどいのになりますと、

恥ずかしげなく自分の主張を変えます。その中間管理職からの要請で行動したのに、

ひとたび「上」の意向が違っていることを知るや「自分はそんなことをやれと言った

覚えはない」と平気な顔で言います。

 

中間管理職の人選に問題があるのではありません。そもそも多くの人が「過度の忖度行動」を

採る資質を持っているという事だと思います。そういう人が中間管理職という板挟みの

ポジションに就くのでその資質が開花してしまうのです。

 

過度の忖度行動を採る源泉は「ヒトの目を気にし過ぎる意識」だと思います。周囲から

自分がどう思われているか気になる。これは会社組織の中の問題だけではありません。

ママカースト、いじめ、社会全てに蔓延していると思います。

 

その根底にあるのは「周りに悪く思われたくない(嫌われたくない)」という意識でしょう

。“良く思われたい”は、集団社会の中で生きていくために必要な社会性ですが、

敏感過ぎるのが問題なのです。

 

この敏感過ぎる人が若い世代を中心に増えているように思います。

 

その一つの原因は幼い頃からの「評価」だと思います。ロールモデルや模範との比較を

小さい頃からずっとされ、会社に入っても評価制度があり、これを意識し過ぎている

のではないでしょうか。

 

この精神構造が生まれるメカニズムを壊すこと、または周囲の目に敏感過ぎる意識を

解き放つことをしていく必要があると思っています。 しかし、これをどうやるか。

今、その模索中です。(勉強会をやろうかと。)

 

 

おまけー1:京都に立ち寄ってきました。紅葉の本格シーズンはこれからですが、

高雄からの眺め絶景でした。苔寺での写経と庭散策も良し。

 

おまけー2:京都水族館で「鱧と鰻とうつぼの比較をしている」というエキサイティングな

企画の話を聞き、帰京前に17時閉館のところ滑り込みで入りました。

 

おまけ-3:残念ながらこの企画2012年の企画と判明。代わりにオオサンショウウオ

たくさん見ました。鴨川の上の方にたくさんいるらしいです。実は中国からの外来種らしいです。

(興奮しますよね)

 

 

 

 

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