先週の月曜日。東京都三鷹市立「南浦小学校」に行く機会がありました。
42年ぶりでした。6年の1学期まで在籍した母校です。校門から校庭まで続くまっすぐの
道は変わっていませんでした。記憶の中では100メートルはあったのですが、改めて
歩いてみるとその短さに驚かされました。
今年の2月に東京都の教員対象の研修会で講演した際に、出席者名簿の中に「南浦小学校」
の主任を見つけ、壇上から「南浦小学校は母校です」とお話ししたところ、後日
その先生から“ぜひ母校に”とのお誘いをうけたのです。
もろもろ予定が詰まっていたので1時間強の短時間の滞在になりましたが、校長先生を
はじめ、30名ほどの教員の方々を対象にプチ講演をしてきました。
全国の学校で教員の年齢構成にゆがみがあります。50代と20代が多い。その間が劇的に
少ないのです。過去の教員採用政策の“つけ”です。南浦小学校も同様でした。
経験に勝る学びはありません。特にヒトを見る目は、どれだけ多くのヒトに深く接して
きたかで決まります。20代の先生の経験を補う役割の中堅層が不足しているのは厳しいで
すね。若い先生も辛いでしょうが、子供たちも辛い。某県では引退した先生方を再活用
してこのギャップを埋めようとしていますが、本格的な取り組みが必要です。
「特別支援教育支援員」という制度があります。平成19年6月に文科省かパンフレットも
出ています。(以下、パンフレットからの抜粋です)
“小・中学校に在籍する発達障害を含む障害のある子どもたちを適切に支援することが
求められていますが、教師のマンパワーだけでは十分な支援が困難な 場合があります。
その背景として、特別支援学級や通級による指導の対象者が増加していること、 通常の
学級に在籍する発達障害のある児童生徒への教育的対応がますます求められていること、
児童生徒の障害の状態が多様化していることなどが挙げられます。
このような状況を踏まえ、政府においては、食事、排泄、教室移動の補助といった
学校における日常生活上の介助や、LD の児童生徒に対する学習支援、ADHD の児童生徒に
対する安全確保などの学習活動上のサポートを行う者を「特別支援教育支援員」という
広い概念で整理し、本年度から地方財政措置を行うこととなりました。“
しかし、これは特別な支援が必要な児童生徒に対して、学習面や行動面の支援を行う
有償ボランティアみたいなものです。この面での支援ももちろん必要なのでしょうが、
教員の主たる活動を強化する施策も必要だと思います。
たとえば、担任経験3年以内の教員に全員メンターをつけるのはどうでしょうか。
メンターには、教員経験者に限らず、民間および団体で管理職経験者も対象とします。
目的は経験が浅い教員の人間的成長を支援することです。
更に、学校の組織開発にも注力すべきです。教職員相互の協力関係が強化されると
だいぶ違うはずです。このために「(仮称)学校運営ファシリテイター」を置くことを
提案します。学校運営ファシリテイターの役割は対話と対話の場の設定を通じて、
学校という組織の感情を安定させ、チームビルディングすることです。
この役割は利害関係者がやらない方がよいので他の地方公共団体や、民間からの
出向受け入れで行うのがよいでしょう。(民間の次世代リーダーを目指す方々にとっては
格好の修行の場になるはずです。)
いずれにしても、“異次元”の予算措置をしないと人財の確保はできません。
学校の教員の報酬も大幅に見直した方がいいと思います。日本の最大の資源は「ヒト」。
「ヒトづくりの現場」への資金の異次元投入をすべきだと思うのです。
おまけー1:小学校時代に自分が住んでいたところを訪ねてみました。大きく様変わり
していましたが、ボールをぶつけていた壁がまだ残っていたことに感激。生まれ育った
ところを訪ねてみると、いろいろ感じ入ることがありますよ。
おまけー2:ふと立ち寄ったミスタードーナッツ。“氷コーヒー”の季節になりました。(^_-)
おまけー3:「マツコの知らない扇風機」の影響を受けて扇風機を購入。
この季節に最適です。家電もいろいろ進化していますね。