声が出なくなりました。
正確には7月13日の午前中の講演中、突然声の出が悪くなり、あれあれ、と思って
いましたら、どんどん出なくなり、その日の午後には典型的な“おかま声”に。
翌14日には音を失いました・・・。その日のセッションは「つんくさん方式」で
画面に文字を投影して行うという苦肉の策で乗り切りました。
翌15日に自宅近くの耳鼻咽喉科に駆け込んだところ、
「ああ、声帯が腫れてますね。喉を酷使しましたね。」
「そんなことはないです(と筆談)」
「これだと1か月くらいかかりますね。ステロイド点滴しましょうか。」
「え!(と筆談)」
「ステロイド点滴すると、すぐに治りますよ。錠剤も2日分だしておきます。」
ステロイド・・・? ベンジョンソン? 走ったら速くなる?などと思いながら、
ステロイド点滴を実施。
治りません。
3連休を経ても声は復活せず、その間のアポイントのみなさんには大変ご迷惑をおかけしました
。特に事業再生会議に陪席させていただいた某企業では、せっかくの再生ののろしを
盛り下げるようなトーンの話し方になってしまい申し訳なかったと思っています。
その後、知人からの助言の「梨湯」により、ヒューヒュー音が出るようになりました。
それでも通常とは程遠いコンディション。そういう中で、某大企業の役員セッションの
ファシリテーション、某財団の打ち合わせの仕切りなど「話さざるをえない」
スケジュールが続き、参りました。声が出ないので、ずっと前から楽しみにしていた
“ビールを浴びる”という会食はリスケに。
わたしのこんな有様を見て、某芸能事務所の社長さんから「タレントの声が出なくなった
ときの薬です。」と漢方薬をもらいました。
効きました。
声は出るようになりました。が、違う人になりました。明らかに声変わりしました。
55歳での声変わりです。
親に電話をしたら「おれおれ詐欺」と勘違いされて切られました。
こんな状況で思いました。喋れないことの不自由さとストレスはすごい。言いたいことを
言えない環境に身を置かれている人たちは大変だろうなあと。私のように喉をやられている
場合には、まだあきらめもつきます。そうでないのに、言いたいことが言えない。これは辛い。
組織の中で「言いたいことがあるのに言えない」と、これがストレスとなり、組織感情が
悪化し、結果としてスムーズに物事が進まなくなります。そのうち、心を病む人や
黙って辞めていく人が続出します。そうなると、何をやろうとしてもうまくいきません。
一人ひとりが抱えている「言いたいこと」は経営という観点からは取るに足らない
内容かもしれません。重要なことは、その内容ではありません。それが何であれ、
聞くという行為です。「あなたの話を聞かせてほしい」、 ここにはその人への
リスペクトがあります。
自分は会社からリスペクトされている。この思いはヒトの心に火を灯します。
生産性向上が叫ばれる今日だからこそ、目に見えない配慮をしたいものです。
“あなたの話を聞かせてほしい”。リーダーが現場を視察するときの鉄則です。
おまけー1:不思議なもので、こちらが声が出ないと、話しかけてくるほうもヒソヒソ声に
なったり、筆談系になる人がいます。感受性の高さによるものと思います。
おまけー2:この話、家の中でも同じことが言えますね。
おススメコーナー:7月24日(月)のNHKおはよう日本の「おはBiz」で私が解説する
「カイシャインのおきて」第二弾「苦手な部下とは・・・」が放映予定です。
早朝の6時10分頃だと思います。ぜひご覧ください。
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