Vol.657 優秀な若者が会社を辞める

先日こんな話を聞きました。

 

“新卒で一流と呼ばれる大企業に入社した。1年目の半分はほぼ研修。いい人たちに囲まれ、

良い会社だと思った。その後、本配属され自分なりに頑張って仕事をしてきた。

2年経過して外を見る機会があり焦った。外資系や中堅、ベンチャーに入社した同世代の

人たちよりも明らかに視野が狭く、実力もない。このままではいけない。”

 

この女性は同期入社の中でも秀逸。まさに期待される存在だったそうです。入社3年目の

4月に退職し、同じ業界の外資系企業に転身。転職先で早くも頭角を現し、

この9月にはシンガポールへの転勤が決まったそうです。

 

“このままではいけない”の意味は、“このままだと転職もできなくなってしまう。”

だそうです。

 

“経験に勝る学びなし”。将来が嘱望される優秀な人材を獲得したら、できるだけ早く

責任ある仕事を担当させた方がよいです。この女性は組織の中で新卒2年目・3年目の

社員がやる仕事を普通に与えられ、何の疑いもなくそれを粛々とこなしてきたのですが、

ある日外の世界を見て、自分の時間を無駄にしている、と気づいたわけです。

 

優秀な若者が入社したら、手に余るような難しい案件に就けましょう。

 

何とかしないといけない。しかし、経験がなく、どう進めていくべきか検討もつかない。

そういう仕事に直面すると、“誰かに助けを求めざるを得ない”状況になります。

それがいいのです。

 

学生時代にちょっと優秀だったりすると、人に助けを求めることを躊躇します。

自分の小さなプライドが邪魔をするのです。どんなに優秀な人であっても万能ではありません。

大きな仕事をするときには、最も力を発揮できる人たちでチームを組んで行う方が良いに

決まっています。自分がやらない方がいいこともあります。このことを“頭で理解する”

のではなく、体感してもらう。この学びを若いうちに得ることができるかどうか。

その後の成長の分岐点になります。

 

先日、某大企業の社長以下、主要幹部の方々の経歴をお伺いする機会がありました。

みなさん、20代のうちに非常に難しい案件を担当させられていました。しかも責任者として。

その時に遭遇した上司、何とも言えない焦燥感、これらがその後の自分を形成したと

仰っていました。

 

同じような思いをしている若者が今の会社にいるか、という問いにはみなさん「NO」でした。

 

これが多くの日本企業の実態だと思います。

 

事業が安定し、組織も安定してきますと、人々の心の中にそれを維持しようとする力が

働きます。安定・安住を享受し続けたいという本能的なものだと思います。

 

これを「Comfort Zone」といいます。「Comfort Zone」から出ないように、想定外の事態が

起こらないように、様々な措置が図られます。

 

仕事については、一人が“一人の仕事”をきちんとこなすこと。それが重視されます。

冒険は避けます。そうなると海のものとも山のものともつかない新人に大きな仕事をさせません。

新人は新人のやることを粛々とやるべし。そうなるのです。多くの新人もその「Comfort Zone」

の中で全力を尽くすことを望みます。

 

それでよいのです。そうでないと大企業が維持できませんから。

 

ただ、中には自ら「Comfort Zone」から飛び出しチャレンジしたいと考える人材がいます。

若干います。そういう人が改革をけん引し、将来の絵を描き、リードする人材になる

可能性が大です。彼ら彼女らを処遇しきれない。それが大企業の人事課題です。

先の女性もその一人でした。

 

こういう人材をリテンションする(辞めないようにする)には、尊敬できる上司、

本人の志向性を充たせる仕事(手に余るような仕事)、社内認知が必要です。

そういう人材を経営陣が認知し、ある意味で特別な配置をする。ここからです。

 

人事制度が邪魔することもあります。細かいグレードを刻むのではなく、ブロードバンドして

括りましょう。新人でも実力があれば数年で管理職になることができる。

柔軟性を制度に組み込みましょう。

 

 

 

おまけー1:大阪で定宿にしている某ホテルのクラブフロアで、部屋番号を言うと、

いつも手に書く女性がいます。毎回、手に書くので、聞いてみました。

 

“手に書くんだ?”

 

 “え、腕に書きましょうか” とニッコリ。(さすが大阪!)

 

 

おまけー2:“うたいダコ”ができていますので、今週も歌わないように。

 

喉のお医者に職業を誤解されています。しかし、この先生のおかげでかなり改善。

 

 

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