Vol.659 過去の人が生まれる温床を撲滅しましょう

私は個人タクシーが好きではありません。仕事上、タクシーはよく使います。

ただ、個人タクシーは避けています。態度が横柄、車が古い・臭い、運転が荒い。

あくまでも私の個人的な体験からですが、個人タクシーには、こういう運転手さんが

多いように思えます。タクシーをよく利用する人にこの話をしますと、

たいてい“そうそう”と同感されます。

 

先日、博多で女性ドライバーの個人タクシーに乗りましたが、行先を告げてもうんとも

すんとも言わず。「博多エクセルホテル東急」と伝えたのに「東急ホテル?」に連れられ、

通常15分くらいで着くところが45分くらいかかりました。さすがに

「ごめんなさい。えへへ。」と言われましたが、料金を下げるというオファーも

ありませんでした。(文句は言いませんでした。逆ギレされそうだったので。)

 

個人タクシーの運転手ということは、それなりの経験を積んだベテランのはずなの

ですが、そのベテランが嫌われているという現実があります。自分の仕事に慣れて

しまって、よりよい仕事をしようというモチベーションがないのだろうと思いました。

さらには自分の仕事には意見を言わせないという気配すら漂わせていました。

 

私はこういうベテランを「過去の人」と称しています。これはタクシーの運転手さん

だけの話ではありません。どこにでもいます。社内を見渡してみてください。

自社に「過去の人」がいませんか?

 

「過去の人」が多い組織は学習しません。何か問題が起きると誰かのせいにします。

新しいことへの取り組みが進みません。当然ながら、「成長したいという若者」は

幻滅し、そこから逃げ出したい気持ちになります。

 

誰でも学びたい、成長したいという本能があるはずです。それにもかかわらず、

会社組織の中に「過去の人」が生まれてきてしまうわけです。この温床を撲滅しない限り、

「過去の人」は生まれ続けてしまいます。

 

温床になりうるのは「降格のない職能資格制度」と「変わらない仕事環境」です。

 

職能資格制度は役職(ポスト)に関わらず、「実力がある人と思われる人」を相応に

資格等級で処遇するというものです。多くの企業で管理職相当資格に昇格するまでは

卒業方式で運用されています。一定の評価を一定の年数得ることができたら昇格させる

というやり方です。このため、やっている仕事は同じでも、資格は上がっていきます。

仮に仕事の質が低下しても降格しません。上位資格で年齢が高い人には意見しにくい

ものです。そうなると自然に聞く耳が閉じていきます。

 

やっている仕事の範囲と内容が長らく変わらないと、その人の周囲に「温床」が

用意されていきます。

 

仕事は3年やれば“だいたいできる”ようになります。5年もやれば“わからないことが

ほぼない状態”になります。7年もやってしまうと“やり方を変えるのが怖く”なります。

「過去の人」誕生です。

 

同じ仕事を5年以上やっている人がどのくらいいるのか、一度調べてみてください。

(ちなみに、例えば同じ経理職であっても、担当領域が広くなっていれば「同じ仕事」

とはみなしません。)同じ仕事をやっている人が25%以上いた場合には要注意です。

会社として「過去の人」を造ってしまっています。

 

先日来、某企業で全執行役員、部長クラスを対象に「ファシリテーションスキルを

高めるためのトレーニング」をやっています。とても印象に残っている回がありました。

トレーニング開始前の参加者の表情と終了後の表情が明らかに変わりました。

「過去の人」になりかかっていた人たちが、「学ぶ機会」に触れて本能的に

楽しかったのだと思います。

 

そうなのです。新たな刺激、学び。これらを与えていくことがシニア層を「過去の人」に

しない/温床から脱出させる方策になります。完全に「過去の人」になってしまうと、

そこからの復活はハードルが高いです。本人にとっても会社にとっても良くない

結末になりがちです。「過去の人」が大量発生する前に手を打ちましょう。

 

 

おまけー1:胆石発作後、意識して魚野菜中心の食生活にしていますが、

なんと体重が3か月で5キロも落ちました!

(やはり、夜中のチョコモナカジャンボはいけなかったようです。)

 

おまけー2:深夜に半裸姿で走る男性あり。昭和の人が見たら「間男の逃亡」に見えたと思います。

(革靴だったので本当に「間男」)だったかも。)

 

おススメコーナー:弟子の藤野さんが書いた「2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方」

おススメです。ぜひ、電子版でお読みください。講演もやっているので声をかけてください。]

(それにしても弟子の成長は嬉しいものです。)

 

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